正しい輸液の方法 :5%ブドウ糖液と細胞外液との使い分け

最終確認日:2017/07/18 最終更新日:2017/07/18

コウメイ:今回は輸液の勉強をしていきましょう。まずはこちらの過去問をご覧ください。

【第107回医師国家試験B-28】

5%ブドウ糖液の輸液が適切となる病態はどれか?

  1. 尿崩症
  2. 低張性脱水
  3. 等張性脱水
  4. 急性副腎不全
  5. ADH分泌不適合症候群<SIADH>

 

学生B:脱水があったら点滴すればいいんじゃないですか?bかcが正解だと思います。

 

コウメイ:違います。そもそも5%ブドウ糖液ってどんな時に使うか知っていますか?

 

5%ブドウ糖液の使い方

学生B:ブドウ糖が入っているので脱水がありかつエネルギーを補給したいときだと思います。

 

コウメイ:体調が悪くてあまり食事が摂れないときなどですか?

 

学生B:そうです。まさにそのようなときです。

 

コウメイ:確かにそのようなときも使用します。それ以外でぜひ覚えてほしいのは自由水の補充です。

 

学生B:ジユウスイ?

 

コウメイ:自由水が分かりにくかったら真水と考えてもらって大丈夫です。真水なので点滴すると血液が薄くなります。ですので、血液が濃い(Naが高い)ときに使います。

 

学生B:そこがよく分かりません。なぜブドウ糖が入っているのに真水になるのですか?

 

コウメイ:その質問いいですね。病態生理をよく考えようとしています。

5%ブドウ糖液は点滴した直後は5%ブドウ糖です。しかし、ブドウ糖が入っているといってもわずか5%なので、すぐに利用されなくなってしまいます。その結果、水(真水)だけが残るのです。

 

学生B:そうか、すぐに利用されてしまうからかぁ。納得です。

 

コウメイ:大事なのでもう一度いいます。5%ブドウ糖液は真水と考えてください。真水を点滴すると血液が薄くなります。
そのため、血液が濃い状態のときに使うのが適切です。ちなみに5%ブドウ糖はこんな感じです。

5%ブドウ糖液

 

細胞外液の使い方

今度は細胞外液を考えてみましょう。細胞外液とはNa濃度が約140mmol/Lの点滴のことです。Naは水を血管内に留めておく作用があるので、主に血管内脱水のときに使用します。

 

学生B:細胞外液については分かりました。ただ・・・、実習中見たことあったかな?

 

コウメイ:細胞外液とそのまま書いてある点滴はありません。具体的にいうと

  • 生理食塩水
  • ソルアセトF
  • ヴィーンF
  • ラクテック
  • フィジオ140

などが細胞外液です。ソルアセトFは有名ですね。

ソルアセトF

 

学生B:生理食塩水とソルアセトFは見たことあります。細胞外液だったのか〜。

 

コウメイ:学生のうちは商品名で言われてもちょっと分かりにくいですよね。研修医になったら自然と覚えるので今はそれほど気にしなくて大丈夫です。

以上を理解した上で、選択肢を解説していきたいと思うのですが、ちょっと長くなったので次回にします。今までの説明をもとにa〜eは5%ブドウ糖液を使うべきか、細胞外液を使うべきか考えてみてください。

続きはこちらです。

正しい輸液の方法 | 5%ブドウ糖液と細胞外液との使い分け2