脳出血(脳梗塞)やてんかんで共同偏視が起こる機序。

最終確認日:2017/08/12 最終更新日:2017/08/12

コウメイ:読者のから「てんかんでの共同偏視はなぜ健側を向くのか?」との質問をいただきましたので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

てんかんで健側の共同偏視になるのはなぜでしょうか? 問題集の解説に、右方への共同偏位があった場合、大脳病変なら右大脳に、てんかんなら左大脳に異常があると書いてありました。

てんかんも大脳の病気なので、大脳病変と同じく右共同偏視なら右大脳に異常があると考えてはいけないのでしょうか。左大脳に異常がある理由が分かりません。

 

右大脳は体の左、左大脳は体の右を支配している

右大脳は体の左、左大脳は体の右を支配しています。右大脳の脳梗塞になると左半身の麻痺が、左大脳の脳梗塞になると右半身の麻痺が起こります。

共同偏視のメカニズム

眼についても同じです。右大脳は眼を左に向かせ、左大脳は眼を右に向かせるのが主な役割です。普段は右大脳と左大脳のバランスがとれているので眼は真ん中に位置します。

共同偏視を考える上で大事なのはこれだけです。これを知っているだけでどのような共同偏視になるか考えることができます。具体的に考えていきましょう。

 

被殻、視床病変(出血、梗塞)

被殻や視床で出血や梗塞が起こるとそこから先に命令が伝わりません。右で起これば左外眼筋、右内転筋に命令が伝わらず眼は右を向きます。つまり、病変を向く共同偏視になります。

※詳しく説明すると視床病変は単純ではありません。視床の近くには上丘があり垂直運動を司っています。ここが障害されると上を向くことができず、下方を向きます。さらに、両眼の輻輳(内転、縮瞳)が起こることがあります。ここのメカニズムはあまり深く考えすぎないのがよいかと思います。

 

橋、小脳病変

橋に出血や梗塞が起こるとそこから先に命令が伝わりません。左で起これば左外眼筋、右内転筋に命令が伝わらず眼は右を向きます。つまり、健側を向く共同偏視になります。

小脳では特に出血があると、同じ高さに橋があるので橋が障害され、橋病変と同じことが起こります。

※橋は範囲が狭いので、特に出血の場合は両側の病変と成りえます。その場合、眼は右にも左にも向かず、正中固定となります。

 

てんかんでは神経伝導が亢進した状態となる(脳梗塞や脳出血とは逆)。

脳梗塞や脳出血では基本的に神経の伝導が障害されます。しかし、てんかんでは逆に神経の伝導が亢進した状態になります。

冒頭で右大脳は眼を左に向ける働きがあると説明しました。てんかんではこの働きがより強くなります。よって、右大脳でてんかんが起こると、左を向く共同偏視になります。

以上、共同偏視についての解説でした。今回の講義は終わりです。お疲れ様でした(^_^)