コウメイ:拙書『レジデントのためのこれだけ輸液』について質問をいただいたので回答します。
読者からの質問
1)血ガス分析Step4で、AGが開大している場合には補正HCO3–を計算すると思うのですが、その補正HCO3–を用いて、再度Step2、3をやり直さなければいけないのでしょうか?
(そうすると、「アシデミアなのにHCO3–が高くてCO2正常」のような矛盾した事になってしまう可能性がありますが…)
2)血ガス分析Step4で、「補正HCO3–が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシスを合併している可能性がある」と記載がありますが、AGが正常で補正HCO3–を計算しなかった場合、HCO3–の値を上記の記載に当てはめて考えて良いのでしょうか?
目次
1)補正HCO3–を求めた後の評価
補正HCO3–を求めた後に、Step2、3をやり直す必要はありません。
2)AGが正常の場合のHCO3–の評価
AGが正常の場合「(アルカレミアの状態で)HCO3–が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、(アシデミアの状態で)22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシス」を考えます。これが基本事項です。
「補正HCO3–が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシスを合併している可能性がある」は上記が元になっています。
以上で回答は終わりです。