血液ガスでの補正HCO3-の評価【これだけ輸液p135-136】

コウメイ:拙書『レジデントのためのこれだけ輸液』について質問をいただいたので回答します。

読者からの質問

1)血ガス分析Step4で、AGが開大している場合には補正HCO3を計算すると思うのですが、その補正HCO3を用いて、再度Step2、3をやり直さなければいけないのでしょうか?
(そうすると、「アシデミアなのにHCO3が高くてCO2正常」のような矛盾した事になってしまう可能性がありますが…)

2)血ガス分析Step4で、「補正HCO3が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシスを合併している可能性がある」と記載がありますが、AGが正常で補正HCO3を計算しなかった場合、HCO3の値を上記の記載に当てはめて考えて良いのでしょうか?

レジデントのためのこれだけ輸液 p124
拙著『これだけ輸液』(日本医事新報社刊)より
目次

1)補正HCO3を求めた後の評価

補正HCO3を求めた後に、Step2、3をやり直す必要はありません。

2)AGが正常の場合のHCO3の評価

AGが正常の場合「(アルカレミアの状態で)HCO3が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、(アシデミアの状態で)22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシス」を考えます。これが基本事項です。

「補正HCO3が26mEq/L以上であれば代謝性アルカローシスを、22mEq/L未満であればAG非開大性代謝性アシドーシスを合併している可能性がある」は上記が元になっています。

以上で回答は終わりです。

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