新生児マススクリーニングを生後4〜7日に実施する理由【107G26】

コウメイ:今回は新生児のマススクリーニングについて考えてみましょう。

医師国家試験107G26

経口摂取が順調な新生児のマススクリーニングの実施時期で正しいのはどれか。

a 出生直後
b 生後24時間
c 生後48時間
d 生後4~7日
e 生後約1か月

目次

1)新生児マススクリーニングは生後4〜7日目

一見すると悪い病気を早めに見つけた方がいいので、aの出生直後がよいと思うかもしれませんが、正解は生後4〜7日です。

なぜ、出生直後ではないか考えていきましょう。マスススクリーニングは摂取した物質をきちんと代謝できているか調べるのが目的です。出生直後の赤ちゃんは何も摂取していません。母乳を飲んで、ある程度代謝される期間が必要です。それが、生後4〜7日です。

母乳が代謝される期間を考えると1か月後でも良さそうです。しかし、1か月はちょっと長すぎでその間に、症状が出てしまうかもしれません。

また、母子は産後1週間弱で退院するというのもポイントです。その後病院に来るというのはなかなか大変です。来なくなる人もいるかもしれません。できるだけ多くの新生児に実施するために母子が入院中の生後4〜7日に行います。

2)マススクリーニングの方法

医師国家試験106E9_画像_新生児マススクリーニング
画像:医師国家試験106E9

実際の測定法について簡単に説明します。まず、赤ちゃんの足に針を刺し、血液を出させます。それを専用の紙に垂らします。乾かした後、この紙を専門の施設に郵送します。郵送後、血液を特別な機械にセットし測定します。

以上で解説は終わりですが、記憶に残りやすくなったでしょうか?このように勉強はストーリーが大切です。今後も、ストーリーを意識した解説を心がけていきたいと思います。

目次