コウメイ:読者の方より質問をいただいたので回答します。まずは質問の元になった問題を見てみましょう。
哺乳による母体血中ホルモン値の変化で正しいのはどれか。
a LH-RH低下
b プロラクチン低下
c オキシトシン上昇
d エストロゲン上昇
e プロゲステロン低下
この問題に対して以下のような疑問を持ったようです。
哺乳刺激でオキシトシン、プロラクチンが上昇するのは分かります。しかし、プロラクチンはLH-RHやLH、FSH、エストロゲン、プロゲステロン分泌を抑制するはずなので、a(LH-RH低下)とe(プロゲステロン低下)が不正解である理由が納得できません。
1)哺乳でオキシトシンとプロラクチンが上昇する
哺乳をするとプロラクチンとオキシトシンの濃度が上がります。プロラクチンは母乳産生をオキシトシンは射乳を促進するホルモンです。これは基本的事項ですので、知らなかった方は覚えるようにしましょう。
2)プロラクチンはGnRH(LH-RH)を低下させる
このプロラクチンですが、母乳産生を促進する以外にGnRH(LH-RH)を低下させる作用があります。GnRH(LH-RH)が低下するとLHが低下し、LHが低下するとプロゲステロンも低下します。
「それなら、先ほどの問題のa(LH-RH低下)とe(プロゲステロン低下)も正解になるんじゃないですか」というのが今回の質問です。
3)詳細は不明~深入りしないのがおすすめ~
読者の指摘はごもっともだと思います。色々調べましたが、a(LH-RH低下)とe(プロゲステロン低下)が誤答肢となる根拠を見つけることはできませんでした。
もしかすると正解が間違っている可能性もあります。また、この問題は97回で出題され、以後同じ内容を問う問題は出題されていません。病態が気になるところではありますが、いくら調べても納得のいく回答を見るけることはできず、時間だけが過ぎていくと思います。
あまり深入りしないのが懸命かと思います。以上で回答は終わりです。