哺乳によるプロラクチン分泌でLH-RH、プロゲステロンは低下しないのか?【97G51】

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方より質問をいただいたので回答します。まずは質問の元になった問題を見てみましょう。

第97回医師国家試験G51

哺乳による母体血中ホルモン値の変化で正しいのはどれか。

  1. LH-RH低下
  2. プロラクチン低下
  3. オキシトシン上昇
  4. エストロゲン上昇
  5. プロゲステロン低下
答え(クリック)

C

 

読者からの質問

哺乳刺激でオキシトシン、プロラクチンが上昇するのは分かります。しかし、プロラクチンはLH-RHやLH、FSH、エストロゲン、プロゲステロン分泌を抑制するはずなので、aとeが不正解である理由が納得できません。

 

結論から言えば、哺乳の刺激でLH-RHとプロゲステロン値がどうなるかという詳細な文献を見つけることができませんでした。以下は私の考えです。

哺乳でオキシトシンとプロラクチンが上昇する

哺乳をするとオキシトシンプロラクチンの濃度が上がります。オキシトシンは射乳を、プロラクチンは母乳の産生を促進させるホルモンです。これは基本的事項ですので、知らなかった方は覚えるようにしましょう。

さて、このプロラクチンですが、LH-RHを下げる作用があります。LH-RHが下がるとLHが下がり、プロゲステロンも下がります。「それなら、先ほどの問題のaとeも正解になるんじゃないですか」というのが今回の質問です。

妊娠中と産後はプロラクチン濃度が高い

ところで、妊娠中、産後はプロラクチン濃度はどうなるか知っていますか?どちらもプロラクチン濃度は高くなっています。その結果、LH-RHは常に低く抑えられ、プロゲステロンも常に低くなっていると考えられます。

哺乳をするとプロラクチン濃度が一時的に少し上がりますが、LH-RHはもともと低く抑えられているので、さらに下がることはないと思われます。 同様の理由で、LH、プロゲステロンもさらに下がるとは考えにくいです。

以上が哺乳でLH-RH低下とプロゲステロン低下が正解にならない理由です。