網膜中心静脈閉塞症(網膜静脈分枝閉塞症)(4/18)

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

今回は網膜中心静脈閉塞症(網膜静脈分枝閉塞症)について説明していきます。網膜中心静脈閉塞症=火炎状眼底とだけ覚えている方はいませんか?もう少し深く勉強していきましょう。

まずは火炎状眼底の実物を見てみましょう。いつも言っていますが、文字だけでなく実物を確認することが大切です。

火炎状眼底

 

次になぜこのようになるか考えましょう。まず、血栓などが原因で網膜中心静脈が閉塞します。中心静脈とは網膜の細い血管が集まった太い血管のことです。

この静脈が閉塞するとそれより細い静脈に血液がたまりパンパンになり、圧力が高くなります。静脈の壁は薄いので圧力に耐えることができなくなり破裂します。破裂すると出血が網膜全体に広がり火炎状眼底となります。

以上が火炎状眼底が起こる理由です。ここまでは比較的理解しやすいかと思います。しかし、次からがちょっと難しいです。まずは過去問を見てみましょう。

 

【第107回医師国家試験D25】

医師国家試験107D25 火炎状眼底

 

正解はeの血管新生緑内障虹彩ルベオーシスによる緑内障と全く同じものです。

※虹彩ルベオーシスといえば前回糖尿病網膜症のところで出てきましたね。前回の記事を読んでいない方は一度読んでからここに戻ってくることをお勧めします。

なぜ網膜中心静脈閉塞症で虹彩ルベオーシスが出てくるのでしょうか?実はこの方は糖尿病網膜症(その中でも増殖糖尿病網膜症)なのでしょうか?

この眼底写真は網膜出血であり、増殖糖尿病網膜症で見られる硝子体出血ではありません。ですので、確かに網膜中心静脈閉塞症です。それなのに、なぜ網膜中心静脈閉塞症で虹彩ルベオーシスが見られるか説明していきます。

まず、網膜の静脈が閉塞し、静脈の流れが悪くなります。その影響で毛細血管の流れも悪くなり、周囲の組織に十分な水分や栄養、酸素を届けることができなくなります。

つまり、無灌流域が存在することになります。無灌流域からVEGFが分泌され、硝子体、房水を通じて虹彩に辿り着き、虹彩血管が生じます。その結果、緑内障となってしまいます。

虹彩ルベオーシスについてより理解が深まったところで過去問を見てみましょう。

【第105回医師国家試験E54】

医師国家試験105E54

 

この方は新生血管と虹彩ルベオーシスが存在するのでVEGFが分泌される病気であることが分かります。つまり、dの網膜中心静脈閉塞症が正解となります。選択肢にはありませんが、増殖糖尿病網膜症の可能性もあります。

※網膜中心脈閉塞症では自然に血管が再開通するので、無灌流状態は長く続かず、新生血管は生えません。ここ間違えやすいので注意してください。

以上、網膜中心静脈閉塞症について勉強してきました。大分深く理解することができたのではないでしょうか。

次回は網膜中心動脈閉塞症について解説していきます。