網膜中心動脈閉塞症(網膜動脈分枝閉塞症)(5/18)

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

コウメイ:前回は網膜中心脈閉塞症について勉強しました。今回は網膜中心脈閉塞症について解説していきます。名前は「動」と「静」の違いしかありませんが、病態は色々と異なります。

まず覚えておいて欲しいのは眼底の色です。眼に限らず体のどこでもそうですが、動脈が閉塞すると血液が行かなくなるので白くなります。

網膜中心動脈閉塞症では網膜に血液が行かなくなるので、眼底が白くなります。実際の過去問で見てみましょう。

 

【第104回医師国家試験G54】 

医師国家試験104G54 医師国家試験104G54

 

 

主訴は急激な視力低下です。眼に限らず突然の症状は血管病変の可能性が高くなります。それを頭にいれ画像をみると、眼底が白くなっているのが分かります。

と言われても、慣れていないと眼底が白いかどうかなんて分からないと思います。正常網膜の載せておきますので比較してみてください。

正常眼底 網膜中心動脈閉塞症の画像

 

比べてみると白いのが明らかですね。これで網膜中心動脈閉塞症であるのが分かります。網膜中心動脈閉塞症の眼底をよく見ると黄斑の部分が赤くなっているのが分かります。これをcherry red spotと言います。

cherry red spot

 

「そんなの知ってるよ」と思われる方もいるかもしれませんが、なぜここが赤くなるか知っていますか?

それは黄斑は周りの網膜より薄いからです。薄いので脈絡膜の血管が透けて見えます。脈絡膜の血管には普通に血液が流れているので赤く見えます。それが透けて見えるので黄斑の部分が赤く見えるのです。

ここまでは理解しやすいですね。しかし、これ以降奇妙なことが起こります。それは、網膜中心動脈閉塞症の患者に視野検査を行うと中心暗点が見られるのです。赤くなっているはずの黄斑が一番見えないのです。なぜでしょうか?

それは、黄斑の細胞は特に虚血に弱いからと考えられます。黄斑は物を見るのに一番大切な部分なので、普段から多くの栄養や酸素を必要としています。そのため、虚血になると特に影響を受け、一気に見えなくなると考えられます。視野検査をすると選択肢⑤の中心暗点が見られます。

以上で網膜中心動脈閉塞の解説は終わりです。特にcherry red spotについてより理解が深まったのではないでしょうか。

次回は「眼科特有の検査」について解説していきます。