【眼科18】重症そうで重症でない病気 〜結膜下出血、翼状片、春季カタル〜

※全18回です。目次はこちらです。

コウメイ:今回は「重症そうで重症でない病気」について解説していきます。

目次

1)結膜下出血

医師国家試験103A30

26歳の女性。右眼の異常を主訴に来院した。昨夜、就寝前に右の目尻にわずかな痛みを感じた。今朝起きたところ右眼が赤くなったことに気付いた。眼脂はなかった。視力は、右1.0(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。角膜は透明で、前房は深く清明である。前眼部写真を示す。

医師国家試験103A30_画像_結膜下出血

対応として適切なのはどれか。

a 経過観察
b 圧迫眼帯
c 電気焼灼
d 止血薬内服
e ビタミン点眼

白目の部分が出血していますね。隙間がなくべたーっとした感じが特徴です。このような出血を結膜下出血と言います。一見するとヤバそうですが、心配はいりません。痛みやその他の症状もないし、治療の必要もありません。経過観察で治ります。

※問題文には「わずかな痛みを感じた」とありますが、基本的に痛みのない病気と思っていただいて大丈夫です。

2)翼状片

医師国家試験103I29

前眼部写真を示す。

医師国家試験103I29_画像_翼状片

この疾患で正しいのはどれか。

a 小児期に多い。
b 遺伝性である。
c 悪性腫瘍化する。
d 外的刺激が誘因となる。
e 放射線治療が第一選択である。

角膜に何かできていますね。癌でしょうか?いいえ、これは癌ではありません。翼状片と呼ばれるものです。

痛みもないし、その他の症状もありません。癌ではないので即治療の必要はありません。ただし、瞳孔にかかると見えなくなるので、その際は治療が必要になります。治療は眼科用のメスを用い、角膜から慎重に剥がします。

3)春季カタル

医師国家試験101G55

13歳の男子。両眼の強い掻痒と異物感とを主訴に来院した。視力は右0.7(矯正不能)、左0.8(矯正不能)。右上眼瞼を翻転した写真を示す。左眼も同様の所見である。

医師国家試験101G55_画像_春季カタル

診断はどれか。

a 花粉症
b 結膜結石
c 春季カタル
d 流行性角結膜炎
eクラミジア結膜炎

マブタの裏に何かできていますね。今度こそ癌でしょうか?いいえ、今回も癌ではありません。これは春季カタルといい、簡単に言うとアレルギーです。心配はいりません。

4)結膜結石

bの結膜結石は下のようなもので、脂腺からの分泌物が固まったものです。

Concretions(結膜結石)
Tarsal conjunctival concretions, Gitanjli Sood; Bhupendra C. Patel, CC BY 4.0

5)クラミジア結膜炎

eのクラミジア結膜炎は以下のようなもので、画像だけでは春季カタルとクラミジア結膜炎とを区別するのは難しいです。よって、画像以外の所見が重要になります。

封入体筋炎(クラミジア結膜炎)_CC BY 3.0
Chlamydial-conjunctivitis, Jonathan Trobe, M.D. CC BY 3.0

春季カタルはアレルギーなのでめちゃくちゃ痒いです。一方、クラミジア結膜炎はあまり痒くありません。また、クラミジア結膜炎は性感染症です。ですので、年齢が重要です。本患者は13歳なので可能性は低いでしょう。

以上で「重症そうで重症出ない病気」について説明しました。これで全18回の終了です。眼科の苦手意識はなくなったでしょうか?最後までお読みいただきありがとうございます。

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