病態生理が分からない場合どこまで調べるべきか?

コウメイ:読者の方からご質問をいただいたので回答します。

読者からの質問

網膜色素変性症の視野検査について質問です。網膜色素変性症では一般に輪状暗点が生じると記載があります。桿体細胞の変性のため中心部が残り、周辺部の視野が狭くなっていくという点は理解できました。しかし視野検査を見てみると、確かに中心部が残り周辺部が消失していますが周辺部の更に外側では視野が残っています。この点がうまく納得できずにいます。お時間がありましたらぜひご回答していただけましたら幸いです。

おっしゃる通りで、周辺部の更に外側では視野が残っていることがあります。結論から言うと、理由は不明です。色々な理由は考えられますが、はっきりと書いてある文献は見たことがありません。ご期待の回答ではないと思いますが、これ以上深入りしないことをお勧めします。

回答は以上で終わりですが、せっかく質問いただいたのでもう少しタメになることを書いていきます。

目次

1)その病態は医師国家試験の得点に繋がるのか

ある程度勉強が進むと病態が気になるようになります。その際にどこまで調べるか、そもそも調べる必要があるかですが、病態を調べると暗記が楽になる、もしくは今後得点に繋がると思った場合に調べてください。得点に繋がる可能性は低いと思った場合は後回しです。

調べる場合はまずは教科書で調べてください。ネットではありません。教科書です。ない場合は買ってください。教科書に載っていない場合にネットで調べるのですが10分調べて答えがでなければ止めてください

どうしても調べたい場合は以下のことをした後で好きなだけ調べてください。

2)どうしても調べたい場合は以下のことをしてから

医師国家試験の過去10年分の問題全てに答えることができる

まずは過去10年分の問題全てに答えることができるようになりましょう。病態が難しければとりあえず丸暗記でも構いません。ランダムに出題されても100%正解できるようになりましょう。99%ではダメで100%です。7、8割程度は論外です。

医師国家試験の過去10年分の問題で正解以外の選択肢について説明できる

次に、過去10年分の問題全てで正解以外の選択肢について説明できるようになりましょう。99%ではダメで100%です。

医師国家試験の過去問15年分に範囲を広げる

1と2ができたら過去問を15年分(つまり+5年分)に広げて同じことをしましょう。

おそらく、これをやっている途中で調べたいことは忘れてしまうでしょう。もしくは「気にする必要ないんじゃね?」と思うようになると思います。ここまでやっても気になる場合はどうぞ好きなだけ調べてください。

3)「気になって他の勉強ができない!!」という方はご質問ください

とは言え、気になって他の勉強に集中できないという方もいらっしゃると思いますので、その場合は私に質問してください。「よく分かっていないので気にしすぎないのがよいです」という回答でよければすぐにお答えします。

以上で私の回答は終わりです。期限のある医師国家試験の勉強をする上では大事な考えになりますのでご理解ください。医師国家試験に受かった後、それでも気になる場合は好きなだけ調べたり研究したりして私に教えてください。よろしくお願いいたします。

網膜色素変性について気になる方はこちらの記事もどうぞ。

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