2-1 心室細動の心電図【(ブログ版)これだけ心電図】

※本記事は連載「これだけ心電図」の一部です。こちらが目次へのリンクになりますので一番初めから読むことをお勧めします。

コウメイ(@kokusigokaku):今回から心電図の各論に入っていきます。まずは心室細動からです。

大事なのは病態を理解すること

「心室細動は知っていますよ。こういうやつです」

心室細動の心電図

このように思われる方が多いでしょう。もちろん心電図を知っていることに越したことはありません。しかし、前回説明したように、覚えるべきは心電図所見ではなく病態です。

心室細動は心電図所見が簡単なので、心電図所見を覚えようが病態を覚えようがあまり変わりません。ただし、心電図所見が難しいものになると、心電図所見を覚えるより、病態を覚えることの方がはるかに楽です。しかも楽しいです。その逆はありません。

つまり、病態は難しいけど、心電図所見は簡単というものはありません。ですので、今回から病態を勉強をしていきましょう。

心室細動の病態

それでは心室細動の病態を解説していきます。正常なら心臓を収縮させる命令は洞結節から出て、「心房⇒房室結節⇒ヒス束⇒右脚・左脚⇒プルキンエ線維⇒心室」と規則正しく伝わります。

心室細動はこの命令が、心室の至るところで勝手に出ている状態です。その結果、心室が至るところで勝手に収縮します。

心室細動の病態

収縮というよりは細かく震えていると言った方が近いかもしれません。正座してしびれた足と同じです。全く使い物になりません。

その結果、全身に血液を送り出すことが出来ず、意識は無くなり、脈は触れなくなります。

心電図所見は病態から考える

この病態からどのような心電図になるか考えてみましょう。心室は「細かく震えている」ので、心電図も細かい波のようになりそうです。その結果、以下のような心電図になるのです。

心室細動の心電図

 

以上が心電図の勉強法です。先程も説明したように、心室細動は病態も心電図所見も簡単なので、病態を覚えることの重要性が分かりにくいかもしれません。しかし、今後大事になってきますので、今から「病態を理解する」ことを意識してください。

正常値は気にしすぎない

なお、今回の勉強から分かるように、心電図を読む際に細かい正常値はあまり必要ありません。少なくとも初めに正常値を全部覚えてから、心電図所見の勉強を開始するメリットはありません。もちろん、必要なときには必要な分の正常値は教えますので、「あまり気にせず」お待ちください。

次回は心室頻拍について勉強していきます。

2-2 心室頻拍の心電図【(ブログ版)これだけ心電図】

2014.11.23