(8) 不整脈原性右室心筋症(イプシロン波)

※お陰様で「これだけ心電図」の重版(第4刷)が決定しました。感謝の意とより詳しい説明のため連載で記事を書くことにしました。本記事は連載の8回目になります。途中からでも理解できますが、初めから読むことをお勧めします。

(1) お礼と連載の説明
(2) これだけ心電図は難しすぎないか?
(3) これだけ心電図は簡単すぎないか?
(4) アーチファクト(ドリフト、交流障害、接触不良)
(5) 発作性上室性頻拍の分類(房室回帰性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍)
(6) WPW症候群の分類(A型、B型、C型)
(7) 心房粗動の分類(通常型、非通常型)
(8) 不整脈原性右室心筋症(イプシロン波)・・・本記事
(9) 心電図検定の参考書として
(10) 効率の良い心電図の勉強法(お勧めの参考書)

コウメイ:心臓の病気の1つに不整脈原性右室心筋症というものがあり、特徴的な心電図を呈する(試験に出やすい)ので解説します。

不整脈原性右室心筋症とは

不整脈原性右室心筋症は心筋症の1つで、右室の心筋が脂肪や線維組織に置き換わってしまう病気です。その結果、心室頻拍が起こります。

不整脈原性右室心筋症の心電図:イプシロン(ε)波

不整脈原性右室心筋症の心電図の特徴はいくつかありますが、最も特徴的で試験に出やすいのはイプシロン(ε)波です。QRS波の終わり見られる小さなノッチがイプシロン波です。

イプシロン波

イプシロン波のは全例で見られるわけではありません。イプシロン波が無いからといって不整脈原性右室心筋症を否定することはできません。

イプシロン波以外として、V1〜V3誘導の陰性T波や幅の広いS波、右脚ブロックなどが見られることもあります。ただし、イプシロン波以外は不整脈原性右室心筋症以外でも見られることがあるので、試験対策としてはイプシロン波=不整脈原性右室心筋症と覚えておけばよいでしょう。

次回:(9) 心電図検定の参考書として