(3) 「これだけ心電図」は簡単すぎないか?

※お陰様で「これだけ心電図」の重版(第4刷)が決定しました。感謝の意とより詳しい説明のため連載で記事を書くことにしました。本記事は連載の3回目になります。途中からでも理解できますが、初めから読むことをお勧めします。

(1) お礼と連載の説明
(2) これだけ心電図は難しすぎないか?
(3) これだけ心電図は簡単すぎないか?・・・本記事
(4) アーチファクト(ドリフト、交流障害、接触不良)
(5) 発作性上室性頻拍の分類(房室回帰性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍)
(6) WPW症候群の分類(A型、B型、C型)
(7) 心房粗動の分類(通常型、非通常型)
(8) 不整脈原性右室心筋症(イプシロン波)
(9) 心電図検定の参考書として
(10) 効率の良い心電図の勉強法(お勧めの参考書)

コウメイ:参考書を買うときに「難しすぎないか?」逆に「簡単すぎないか?」ということが気になりすよね。前回は「難しすぎないか?」について説明しました。今回は「簡単すぎないか?」についてコメントしたいと思います。

医大生、看護師

ほとんどの方にとって簡単すぎると思うことはないでしょう。「読んでみたいけど、簡単すぎて得るものが無かったらどうしよう」という心配は無用です。

初期研修医(1年目〜2年目前半)

医師国家試験に受かった研修医の先生にとっても簡単すぎるということはないと思います。もし本書を「簡単すぎる」という研修医がいれば、「相当デキる」か「本当はきちんと理解していない」かのどちらかで、後者の可能性が高いと思われます。以前、全国の研修医の先生にレビューしていただきましたので、そちらも参考にしてみてください。

レジデントのための「これだけ心電図」のレビュー、感想

初期研修医(2年目後半)〜後期研修医

初期研修医の2年目後半や後期研修医になると知識に差が出てくるので本書が適しているかは人によります。心電図が好きで色々な本を読んだことがある方なら大部分は既知の情報の可能性が高いです。もちろん新たに得られる知識もあるとは思いますが、4000円(税別)の価値があるかは悩ましいところです。

心電図をそれほど勉強してこなかった方は「簡単すぎる」とは思わないでしょう。色々な臨床経験はしていると思いますので、本書を読んでいただければよりしっかりした知識を身につけることができます。

試験対策(ACLS、心電図検定)

最後に客観的な点から本書のレベルについて説明します。実臨床では中々客観的な評価が難しいので広く行われている試験でどの位役に立つか検討していきます。

まずメジャーなものとしてACLSがありますが、出題される心電図は全て理解できます。
※私は心電図の問題を含め満点でした。

そのほかの試験として、最近は心電図検定なるものがあるようです。試験を受けてはいないのですが、公式問題集&ガイドは購入し解いてみました。

111問掲載されておりますが、本書をきちんと理解できれば101問は正解することができます。残り10問は本書のみの知識では解くことができませんが、内容が重複しているものがあり、疾患としては以下の5種類になります。本書をしっかり読んだ上で、これらについても勉強すればかなり良い成績を得ることができると思われます。
※正解することができるだろう問題の一部は応用問題(例えば心房細動+完全房室ブロック)となっています。本書を表面上だけしか理解していなければ解けないし、本書を「簡単すぎる」と思うかもしれません。しかし、高校受験や大学受験もそうですが、応用問題全てを記載している参考書はありません。基礎をしっかり理解した上で自分で考えるのが通常です。本書は基礎固めにきっとお役に立つでしょう。

  • アーチファクト(ドリフト、交流障害、接触不良)
  • 発作性上室性頻拍の分類(房室結節リエントリー性頻拍、房室回帰性頻拍)
  • WPW症候群の分類(A型、B型、C型)
  • 心房粗動の分類(通常型、非通常型)
  • 不整脈原性右室心筋症

本書を執筆するにあたり、どこまでの疾患を取り上げるか迷ったのですが、上記の疾患を詳細に説明するのは心電図の本質から外れ、心電図初学者の学習に支障をきたすと判断し記載しませんでした。ただし、心電図検定を受ける方は解けなければいけない問題であり、かつ上記問題集の解説は簡易なものになっており人によってはやや分かりにくいと思われますので、本ブログでも解説していきたいと思います。

次回:(4) アーチファクト(ドリフト、交流障害、接触不良)