肺炎の検査 | 尿で細菌が分かる?

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

コウメイ:今回は肺炎について説明します。 「肺炎だったら”抗生剤”を選べばいいんでしょ!!」と短絡的に考えている方は必見です。 まずは問題を見てみましょう。

第107回医師国家試験A14

肺炎の原因菌で尿中抗原検査が診断に有用なのはどれか。2つ選べ。

  1. Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)
  2. Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)
  3. Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ)
  4. Legionella pneumophila(レジオネラ)
  5. Haemophilus influenzae(インフルエンザ菌)

※英語を覚えるのが本質ではないので日本名を追加しました。

正解:a、d

 

肺炎には”抗生剤”?

学生C:検査できるのは肺炎球菌とレジオネラ、検査できるのは肺炎球菌とレジオネラ、検査できるのは肺炎球菌とレジオネラ。はぁ、また暗記か。つまらないなぁ。

 

コウメイ:なぜつまらないと思うんですか?

 

学生C:だって、こんなの覚えて役に立つんですか?肺炎だったら”抗生剤”を使えばいいだけなのに。

 

コウメイ:なるほど。肺炎だったら抗生剤を使えばいい。もっと詳しく言うと、肺炎の問題が出たら抗生剤という選択肢を選べばいいと考えているのですね。

 

学生C:まぁ、そうです。

 

コウメイ:そのような理解だと、この問題の面白さが分からないなぁ。正しい理解の仕方について勉強していきましょう。

 

細菌に応じた適切な抗生剤

そもそもですが、肺炎は”ただ抗生剤”を使えば治るものではありません。数ある抗生剤の中で”適切な抗生剤”を使う必要があります。今回は詳しい商品名は割愛しますが、

  • 肺炎球菌には抗生剤Aを
  • 緑膿菌には抗生剤Bを
  • マイコプラズマには抗生剤Cを
  • レジオネラには抗生剤Dを
  • インフルエンザ菌には抗生剤Eを

それぞれ用いる必要があります。

 

抗生剤X

一応、多くの種類の細菌に効果のある抗生剤Xというのも存在しますが・・

 

学生C:なんだ、いいのがあるじゃないですか。抗生剤Xですね。最初からもったいぶらずに教えてくれれば良かったのに。

 

コウメイ:人の話は最後まで聞きましょう。確かに抗生剤Xは多くの種類の細菌に効果があるんですが、その分効果が弱いんです。できるだけ抗生剤Xではなく、その菌にあった抗生剤を使うのが正しい治療の仕方です。 ではどうやって細菌を同定しましょうか?

 

細菌の同定法 | 血液検査(抗体価)

学生C:温泉に行っていたらレジオネラです!!

 

コウメイ:よく勉強していますね。確かに温泉といえばレジオネラを疑う必要があります。しかし、温泉に行っていなくてもレジオネラ肺炎になる可能性もありますし、温泉に行ったとしてもレジオネラ肺炎以外の可能性もあります。確実に同定するには病歴に加え、適切な検査を行う必要があります。

 

学生C:検査ですか。血液検査の抗体価とかいうやつですか?

 

コウメイ:そうですね。抗体価を調べる方法もあります。ただ、これは弱点がありまして、かなり時間がかかるんです。

 

学生C:時間がかかるんですか。数日位ですか?

 

コウメイ:いいえ、数週間です。

 

学生C:数週間ですか。意味ないですね。

 

コウメイ:検査そのものの存在が意味ないわけではありませんが、臨床では利用しにくいですね。

 

学生C:もっと早く検査できる方法はないんですか?

 

細菌の同定法 | 尿検査(抗原)

コウメイ:ありますよ。それは今回の問題にある・・

 

学生C:尿中抗原検査ですね。

 

コウメイ:その通りです。尿中に抗原があるかを調べる検査で、15分で結果がでます。こんな感じです。

肺炎球菌迅速検査(陽性) 肺炎球菌迅速検査(陰性)

 

学生C:尿中抗原検査ってめちゃくちゃいいですね。

 

コウメイ:確かにいいんですが、これも弱点があって、調べることができる細菌が限られているんです。それが・・

 

学生C:肺炎球菌レジオネラですね。あっ、だから覚える必要があるのか。

 

コウメイ:その通りです。英語で言えばStreptococcus pneumoniaeLegionella pneumophilaです。

今回しっかり覚えていただいて、研修医になり肺炎の患者を担当したときは絶対に検査してください。そして、適切な抗生剤を選択し治療していただくようお願いします。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)