コウメイ:「とても分かりやすいMRIの話」シリーズの第3話です。全4話になっております。順番通りに読むことをお勧めします。
第1話:とても分かりやすいMRIの話 〜T1強調画像、T2強調画像とは?〜
第2話:とても分かりやすいMRIの話 〜FLAIR、拡散強調画像(DWI),T2*とは?〜
第3話:とても分かりやすいMRIの話 〜FLAIRはT1?T2?〜・・・今回
FLAIR画像はT2の水を黒くしたものと言われますが、皆さん納得できていますか?無理やり覚えているひともいるのではないでしょうか。今回の記事を読むときちんと理解できますよ。
1)FLAIR、T1強調画像、T2強調画像
まずは実際の画像を見てみましょう。左からFLAIR、T1強調画像、T2強調画像です。
ぱっと見、FLAIRはT1とT2のどちらに似ていますか?一見するとどちらにも似ていないかもしれません。しかし、よ〜く見るとT2なんです。皮質と髄質との境界に注目して見てみましょう。
2)皮質と髄質に注目
それぞれ白っぽいですか?黒っぽいですか?
FLAIRは皮質が白で、髄質が黒です。T1は皮質が黒で、髄質が白です。T2は皮質が白で、髄質が黒です。FLAIRとT2が同じですね。納得していただけたでしょうか?
いやいや、そんなこと言っても見た目が明らかに違うじゃないか。俺はダマされないぞ!!
まだ、このように思っている人もいるかもしれないですね。ここで覚えてほしいのですが、MRIやCTのコントラストはいくらでも自由に変えることができます。
3)コントラストは容易に変更可
皆さんも電子カルテでコントラストを変えたことがあるのではないでしょうか。色の明るさは絶対的なものではありません。
T2のコントラストを少し変えればかなりFLAIRっぽくなります。しかし、T1のコントラストをいくら変えてもFLAIRっぽくはなりません。白と黒が逆転することは絶対にありませんので。ここ理解できますか?
※なぜコントラストを変えているのかはその方が見やすいからです。FLAIRとT2が全く一緒だったら意味ないですからね。
以上の理由からFLAIRはT2の画像となります。理解できた方はもうFLAIRはT2にしか見えませんよね。
次回は今までの説明をもとに質問者の方からの質問の残りを答えていきます。