アドレナリンの正しい使い方 〜心停止は1mLを静注、ショックは0.3mLを筋注〜

コウメイ(@kokusigokaku):今回はアドレナリンについての勉強です。研修医になってから使う可能性が高いですのでよく理解しておきましょう。まずは問題を見てみます。

第107回医師国家試験C21より改編

82歳の男性。呼吸困難のため搬入された。10年前に心筋梗塞を発症し、バイパス術を受けている。

意識清明。血圧142/88mmHg、脈拍112/分。

治療として適切でないのはどれか。

  1. 利尿薬の静注
  2. ジゴキシンの静注
  3. 塩酸モルヒネの静注
  4. アドレナリンの点滴静注
  5. 硝酸薬スプレーの舌下投与
正解(クリック)

d アドレナリンの点滴静注

 

正解はdのアドレナリンの点滴静注です。「点滴」という投与法が悪いのではなく、そもそもアドレナリンの投与はしません。アドレナリンを投与するのは心停止ショックのときだけです。本患者はどちらにも該当しません。

心停止とショックの場合とで投与法が異なります。

心停止の場合は1mLを静注(ワンショット)

心停止の場合はアドレナリン1mLを静注(ワンショット)します。心拍再開しなければ4〜5分毎に繰り返します。

1mLのキット製剤を使うことが多いかと思います。

アドレナリンキット

ショックの場合は0.3mLを筋注

アナフィラキシーや造影剤によるショックの場合は0.3mLを大腿前外側に筋注します(22Gの針がよいでしょう)。

アドレナリンの筋注

画像:https://www.epipen.jp/download/EPI_guidebook_j.pdf

ここで覚えておいてほしいことは、(ショックを含め)心停止以外の人にアドレナリン静注はしないということです。静注してしまうと、血圧と脈が急上昇して逆に大変なことになると思います。
※ショックの際にアドレナリンを生食で薄め持続静注する方法もあるようですが一般的ではないと思います。少なくとも慣れていない医師が投与する方法でないことは覚えておくとよいでしょう。
※本によっては筋注または皮下注と記載しているものもありますが、皮下注は効果発現に時間がかかるので筋注が優先されます。

心停止の場合とショックの場合の使い分けは必須の知識ですので必ず覚えておく必要があります。