LH-RHで勃起障害が起こる理由 〜きちんとした解説は面白い〜

コウメイ(@kokusigokaku):ブログで何度か説明しましたが、国試は良い問題、面白い問題が多いです。勉強がつまらないと感じるのは解説がつまらないからだと思います。解説がきちんとしていれば良い問題、面白い問題と感じるはずです。例えばこのような問題です。

第107回医師国家試験A11

勃起障害の改善に有効でないのはどれか。

  1. 禁煙
  2. テストステロンの投与
  3. LH-RHアゴニストの投与
  4. 患者とパートナーのカウンセリング
  5. PDE5<phosphodiesterase5>阻害薬の投与

正解:c

 

良くない解説 & 覚え方

問題集によっては以下のような解説がされることがあります。

LH-RHアゴニストは勃起障害に有効ではない

その結果、学生は以下のように勉強します。

LH-RHアゴニストは勃起障害に有効ではない、LH-RHアゴニストは勃起障害に有効ではない、LH-RHアゴニストは勃起障害に有効ではない、・・・

このような丸暗記はただの苦痛でありすぐに忘れ応用することができません。解説が悪いです。以下は私が考えるよい解説です。

LH-RHアゴニストはLHの産生を低下させる

LH-RHアゴニストとはLHを産生する下垂体を”めちゃくちゃ”刺激する薬です。普通、刺激するとホルモンの分泌が増加しますが、”めちゃくちゃ”刺激すると逆に産生が低下します。

馬に軽くムチを打つと速く走りますが、ムチを打ちまくると疲れて走れなくなるような感じです。LHの産生が低下するとテストステロンの産生も低下します。結局、LH-RHアゴニストはテストステロンを低下させる薬です。その結果、勃起障害の改善ではなく勃起障害が起こります。

前立腺癌治療薬 〜副作用として勃起障害〜

では、なぜ勃起障害を起こす薬が存在するのでしょうか?

それは前立腺癌です。テストステロンを低下させることで前立腺癌を抑制します。

リュープリンの画像

実際の商品は上のような注射です。これをお腹に指します。徐放剤になっているので3か月効果が持続します。繰り返しますがこれは前立腺癌の治療薬ですので、メインの作用は癌の抑制になります。副作用はいくつかありますが勃起障害はそのひとつです。よって、この治療を始めるときにはその点も説明しなければいけません。

LH-RHアゴニストに関する正しい知識がないときちんとした説明を行うことができませんので、特に研修医になり泌尿器科を周るときは必須の知識になります。当然、医師国家試験でもひっかけ問題として出題されますので今から覚えておきましょう。

以上が私が考えるよい解説です。興味深く読んでいただけたでしょうか。