(2) 「これだけ心電図」は難しすぎないか?

※お陰様で「これだけ心電図」の重版(第4刷)が決定しました。感謝の意とより詳しい説明のため連載で記事を書くことにしました。本記事は連載の2回目になります。途中からでも理解できますが、初めから読むことをお勧めします。

(1) お礼と連載の説明
(2) これだけ心電図は難しすぎないか?・・・本記事
(3) これだけ心電図は簡単すぎないか?
(4) アーチファクト(ドリフト、交流障害、接触不良)
(5) 発作性上室性頻拍の分類(房室回帰性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍)
(6) WPW症候群の分類(A型、B型、C型)
(7) 心房粗動の分類(通常型、非通常型)
(8) 不整脈原性右室心筋症(イプシロン波)
(9) 心電図検定の参考書として
(10) 効率の良い心電図の勉強法(お勧めの参考書)

コウメイ:参考書を買うときに「難しすぎないか?」逆に「簡単すぎないか?」ということが気になりすよね。今回は「難しすぎないか?」を職業別にコメントしたいと思います。

医大生

本書は心臓の構造や機能、刺激伝導系について最低限の知識(大学の授業で聞いたことはある位)を持っていることを前提としていますので、全く知識のない入学したばかりの1年生にはやや難しいかもしれません。

生理学を学んだ2年生ならある程度理解できると思います。ただし、循環器科を学んでいないと心電図の重要性を真に感じることができないので、あまりモチベーションが上がらず、おそらく途中で読むのをやめてしまうかもしれません。1、2年生はまだ買わなくていいでしょう。

循環器科を学んだ3年生以降なら理解できない・読み進めることができない可能性は低いです。後はモチベーションの問題です。学内の試験で心電図の配点が多い場合はきっと役に立つでしょう。心電図の問題が少ない場合は、役に立たないことはありませんが、学生にとっては安くない価格(税別4,000円)を考えると購入すべきかは少し迷うところですね。

国試の勉強にとりかかっている5、6年生なら理解できないということはほぼないでしょう。学生に話を聞くと中には心電図の形を丸暗記して解いている方もいるようです。本書を読んでいただければ、無駄な暗記がなくなり、正答率も上げることができます。後述しますが、研修医になったら心電図は国試以上に必須で国試以上に読めなければいけません。5、6年生のうちに国試に出やすい部分を重点的に読み、研修医になったら再度全体を読むのが一番のお勧めです。

初期研修医(1年目〜2年目前半)

国試に合格された初期研修医の先生でしたら本書を理解できないことはありませんし、既に本書の半分程度の内容は知っていることでしょう。しかし、レビューを見れば分かるように全ての内容をきちんと理解している方はそうはいないと思われます。ぜひ当直が始まる前、もしくは当直が始まって心電図の重要性を真に感じた頃にご活用ください。

初期研修医(2年目後半)〜後期研修医

初期研修医でも2年目後半や後期研修医であればすでに救急外来や当直は経験済みですので、本書を読んだときに実際の診療の様子をイメージしやすく、すんなり内容を理解することができるでしょう。逆に「簡単すぎないか?」ということが気になるかもしれません。それに関しては次回説明します。

看護師

看護師の方にとってはやや難しい(必要のない)部分もあると思いますし、普段の業務で必須の内容ではないでしょう。基本的には「看護の現場ですぐに役立つ モニター心電図」をお勧めします。

循環器科病棟やICU・HCU・CCUの看護師さんなら本書を読んでいただくのもありだと思います。本書を執筆するにあたり看護師向けの少し詳しめの心電図本を一通り読んでみました。正直、「これは理解できないし、必要ないのでは?」という内容のものが多かったです。本書ではそのような内容は書かないようにしてあります。少し詳しめの心電図本に挑戦したけど挫折した方、これから挑戦してみようと思っている方は本書を読んでみるといいかもしれません。

最近、心電図検定なるものがあり看護師の方も受けているようです。詳細は別記事にしますが、心電図検定を受けようとしている方にとっては参考書として丁度よい内容ですので、ぜひご活用いただきたいです。

以上、「これだけ心電図は難しすぎないか?」という点から説明しました。次回は「これだけ心電図は簡単すぎないか?」という点を考えていきます。

次回:(3)「これだけ心電図は簡単すぎないか?」