純音聴力検査の正しい見方 〜0デシベル(dB)は音がない?〜【107C4】

コウメイ(@kokusigokaku):今回は純音聴力検査について説明していきます。おそらく多くの方がデシベル(dB)について勘違いしているので必見です。 まずは問題を見てみましょう。

第107回医師国家試験C4

純音聴力検査(気道検査)の結果を示す。老人性難聴に特徴的なのはどれか。

純音聴力検査
答え(クリック)

 

正解は②です。皆さんも正解することはできたと思います。しかし、おそらくデシベル(dB)について勘違いしている方が多いと思うので、詳しく説明していきます。

デシベル(dB)って?

デシベル(dB)について以下のように思っている方はいませんか?

0dBは無音で、10dBは0dBより10大きい音、20dBは0dBより20大きい音のこと。

これだと、-10dBとか-20dBの意味が分からなくなってしまいます。0dBは無音ではありません。また、10や20の意味も分かりません。

デシベルとは音の大きさ(正確にはエネルギーの大きさ)を対数で表したものです。

デシベル(dB)=20log(測定する音/基準の音)となります。基準の音とは若い健康な人が聞き取れる非常に小さな音です。
※20は定数です。20って何だ?何だ?と考えても意味はありません。

デシベル(dB)と音の大きさとの関係

測定する音が基準の音の10倍であれば、20×log10=20×1=20dB、基準の音の100倍であれば20×log100=20×2=40dBとなります。基準の音の1000倍であれば20×log1000=20×3=60dBとなります。デシベル(dB)が20増えると音の大きさは10倍になっているんです。

逆に測定する音が基準の音の1/10であれば、20×log(1/10)=20×(-1)=-20、基準の音の1/100であれば20×log(1/100)=20×(-2)=-40、基準の音の1/1000であれば20×log(1/1000)=20×(-3)=-60となります。デシベル(dB)が20減ると音の大きさは1/10倍になっているんです。

純音聴力検査の正常値、異常値

先程、「基準の音とは若い健康な人が聞き取れる限界の音」と説明しました。この音は何デシベル(dB)になるかというと20×log(基準の音/基準の音)=20×log1=20×0=0dBとなります。

基準の音=0dBであり、これが正常値になります。0dBは決して無音ではありません。
※具体的にどの位の大きさかは器械によって異なると思いますので、あまり気にしない方がいいです。

聴力に限らず正常値には幅がありますので、0dB以外は全て異常というわけではありません。15〜20dB以下であれば正常です。

純音聴力検査(正常と異常)

もうお気づきだとは思いますが、-10dBとか-20dBは非常に小さい音を聞くことができているということです。

老人性難聴の特徴

最後に老人性難聴について説明します。老人性難聴の特徴は特に高い音が聞き取りにくいことです。具体的に言うと、6000Hzとか8000Hzの音です。

基準の音(0dB)よりめちゃくちゃ大きくしないと聞こえません。具体的には50dB、60dB、70dBとかですね。これを純音聴力検査で表すとこのようになります。

老人性難聴

以上で説明は終わりですが、今回の説明を参考に他の病気の純音聴力検査も見てみてください。今までより理解が深まるはずです。