G-CSF投与の基準は?

最終確認日:2017/07/25 最終更新日:2017/07/25

コウメイ:読者の方から「G-CSF投与の基準の好中球って何ですか?」との質問をいただいたので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

急性白血病の支持療法として、G-CSF投与の目安が好中球<500とありますが、この場合、分画はどれを含むのでしょうか。

【急性白血病が疑われる患者の末梢血検査】

好中球分画

桿状核好中球、分葉核好中球は好中球に含むと分かるのですが、好中性骨髄球、好中性後骨髄球を含むのかどうかが分かりません。骨髄球はすでに特殊顆粒を持っているので作用を持った好中球としてカウントしてもいいのでしょうか? 

 

G-CSF投与の目安

コウメイ:まず基本的事項の確認としてG-CSF投与の目安は好中球 < 500 です。白血球 < 500 ではありませんので注意してください。

血液検査では好中球は数ではなく、割合で表されますので、自分で計算しなければいけません。つまり、(白血球数 × 好中球の割合) < 500がG-CSF投与の目安となります。ここまでは大丈夫ですよね。

さて、この「白血球の割合」ですが、白血病があると、好中性骨髄球、好中性後骨髄球、桿状核好中球、分葉核好中球と色々出てきます。「このうちどれを好中球に含めればよいのですか?」というのが今回の質問です。

 

桿状核好中球、分葉核好中球

結論から言うと、桿状核好中球分葉核好中球のみ好中球に含まれます。好中性骨髄球、好中性後骨髄球は好中球には含めません。

つまり、桿状核好中球、分葉核好中球の合計500未満がG-CSFの投与の目安となります。

 

好中球減少はなぜ悪い?

そもそもですが、好中球が少なくなるとなぜ悪いんでしょうか?別に好中球が少なくなること自体が重要なのではありません。その結果、何が起こるかが大事です。もっと正確に言うと、好中球が少なくなった結果、人体にとってどのような不都合が起こるかが問題です。特に不都合が無ければ好中球が少なくなっても問題ありません。

虫垂炎で虫垂を摘出したり、胆嚢炎で胆嚢を摘出したりしても問題ないですよね。だから、無くなることではなく、その結果何が起こるかが大事です。好中球が無くなると何が問題なのでしょうか?

感染症です。ということで、好中球は感染症を防いでくれるから大事なんです。感染症を防いでくれなければ好中球がいても意味ありません。

好中球の中で感染を防いでくれるものはどれでしょうか?桿状核好中球分葉核好中球です。好中性骨髄球と好中性後骨髄球のような幼若な細胞は感染を防いでくれません。もし感染を防ぐ作用があれば、健康な人の末梢血にも存在するはずです。

しかし、実際は健康な人の血液には好中性骨髄球と好中性後骨髄球は存在しません。それは感染を防ぐ力がまだ無いからです。

よって、G-CSFの投与の判断をするときは、感染防御作用のある桿状核好中球分葉核好中球の数で判断することになります。以上で回答は終わりです。とてもよい質問でした。また気になることがありましたらご連絡ください。