調節性内斜視の本質

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28

コウメイ:今回は調節性内斜視の問題です。過去に何度か出題されているため、正解率はよいのですが、「本質」を理解しているでしょうか。調節性内斜視の本質について考えてみたいと思います。まずは問題を見てみましょう。

第107回医師国家試験A3

調節性内斜視の原因となるのはどれか。

  1. 遠視
  2. 乱視
  3. 眼振
  4. 上斜筋麻痺
  5. 顔面神経麻痺

 

本質について考えよう

学生C:aの遠視だと思います。過去問で見たことがあるので楽勝です。

 

コウメイ:aで正解です。過去問を解いたことがあるのはすばらしいです。では、ちょっと質問です。

  • 調節性内斜視とは何ですか?
  • 治療はどうしましょうか?

 

学生C:それについては知りません。「調節性内斜視といえば遠視」という理解です!!

 

コウメイ:潔くて逆に清々(すがすが)しいですね。でも、最近の国試は「本質」を問うてくるので、調節性内斜視の本質についてきちんと勉強していきましょう。

 

手術が必要?不必要?

斜視は大きく分けて2つあります。手術が必要な斜視と手術が必要ない斜視です。

ふ〜ん」と思っているあなた、これはめちゃくちゃ大事なことです。いいですか、よく考えてみてください。斜視の手術とは白目の部分を切り、筋肉を露出し、その筋肉を切ったりするんですよ。そんな手術受けたいですか?

 

学生C:できればしたくありません。

 

コウメイ:そうですよね。手術をするかしないかということはめちゃくちゃ大事なことです。手術をしなくて良い斜視の代表が調節性内斜視です。

調節性内斜視 

 

調節性内斜視とは

調節性内斜視は病気そのものではなく、「遠視」をなんとか調節しようとした結果です。遠視が原因で調節性内斜視が結果です。

 遠視と調節性内斜視

 

学生C:遠視って遠くが見えて良さそうな気がするんですが・・。

 

コウメイ:勘違いしている方が多いのですが、遠視は遠くが良く見える眼ではありません。焦点がはるか遠くにあり、どこにもピントが合っていない眼です。何とかしてピントを合わせなければいけません。その方法が寄り目です。医学用語で調節性内斜視といいます。

調節性内斜視

 

寄り目になるとどうなる?

皆さんOSCEで経験があるかと思うんですが、近くを見るときは寄り目になりますよね。寄り目にすると近くが見やすくなります。

遠視ははるか遠くに焦点があり、ピントが合っていません。そこで寄り目にし近くに焦点をずらし、ピントを合わせようとします。これが調節性内斜視です。

 

調節性内斜視の治療

 次に調節性内斜視の治療について考えてみましょう。どうしますか?

 

学生C:目を真ん中に移動させる手術をすればいいんじゃないですか?

調節性内斜視は手術が必要?

 

コウメイ:手術はしません(今まで散々説明してきたのは何だったんだ・・)。調節性内斜視は遠視が原因ですので、これを治療する必要があります。

 

学生C:遠視の治療といえば眼鏡ですね。最初からそういう説明をしてくれればいいのに。

 

コウメイ:(最初から言ってるんだけど・・)遠視用の眼鏡(プラスの度数)をかけてあげるとこのように内斜視は改善します。

調節性内斜視の治療は遠視用眼鏡

 

以上が調節性内斜視の本質ですが、理解していただけたでしょうか。今後も病気の本質を理解するための解説をしていきますので、一緒に国試合格を目指しましょう。今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)