コウメイ:今回はよく問題にでる感染性心内膜炎について解説していきます。まずは医師国家試験の過去問を見てみましょう。
医師国家試験100F23
32歳の女性。2週以上続く37℃台の発熱を主訴に来院した。3週前に抜歯を行った。体温37.8℃。脈拍84/分、整。III音と心尖部を最強点とする3/6度の全収縮期雑音とを聴取する。血液所見:赤血球320万、Hb 9.8g/dL、Ht 32%、白血球9,800、血小板20万。血清生化学所見:AST 18U/L、ALT 16U/L、LD 260U/L(基準176~353)、CK 35U/L(基準10~40)。CRP 7.6mg/dL。心エコー検査で僧帽弁に疣贅を認める。
この疾患に特徴的でないのはどれか。
a 黄色腫
b 爪下線状出血斑
c Osler結節
d Roth斑
e 脾腫
正解(クリック)
診断は感染性心内膜炎で、正解(特徴的でないもの)はaの黄色腫であることは問題ないでしょう。
ところでRoth斑って 見たことありますか?写真を載せるのでどれがRoth斑か考えてみてください。
もう少しよく考えてみてください。
この矢印のところ
ではありません。それは結膜下出血です。
Roth斑は網膜の病変です。中が白くなっている出血斑をRoth斑といいます。倒像鏡や眼底カメラでないと見ることができません。
なお,Roth斑の読み方はロス斑ではなくロート斑と読みます。
おそらく勘違いされていた方いるのではないでしょうか。