コウメイ:今回は肺炎について説明します。 「肺炎だったら”抗生剤”を選べばいいんでしょ!!」と短絡的に考えている方は必見です。 まずは問題を見てみましょう。
医師国家試験107A14
肺炎の原因菌で尿中抗原検査が診断に有用なのはどれか。2つ選べ。
a Streptococcus pneumoniae
b Pseudomonas aeruginosa
c Mycoplasma pneumoniae
d Legionella pneumophila
e Haemophilus influenzae
正解(クリック)
目次
1)尿検査で診断できる原因菌 〜肺炎球菌、レジオネラ〜
肺炎では適切な抗菌薬を選択するために原因菌の同定が必要です。グラム染色、血液培養、PCRなどいくつか方法がありますが、尿検査で診断できる菌もあります。肺炎球菌とレジオネラです。
以下のようなキットに尿を垂らし15分程度待ちます。原因菌を調べることができます。
便利な検査ですが、いくつか弱点があります。まず、調べることができる細菌が限られています。現在のところ、肺炎球菌とレジオネラ2つです。
※数が限られているので医師国家試験の問題に出題されやすいです。
感度は高くはありません。そのため、陰性でも否定することはできません。最終的にはグラム染色や血液培養の結果と併せて判断する必要があります。
※特異度は比較的高めと思われます。よって、陽性ならほぼ診断確定です。
研修医になったら絶対に行う検査ですので覚えておくとよいです。
感度、特異度について気になった方はこちらがお勧めです。
【納得できない方必見】感度と特異度の定義と勘違いしやすいポイント 〜確定診断と除外診断〜
コウメイ:読者の方から感度と特異度について質問をいただいたきました。なかなか理解しにくい内容なので、できるだけ分かりやすく説明していきます。 読者からの質問 …