コウメイ:以前の記事で
- 番所の丸写しは意味が無い
- 「自分の言葉で」ノートにまとめるのが大事
と説明しました。今回は「自分の言葉」というのを詳しく説明していきます。
実際の問題を例にどのようにノートにまとめるべきか考えていきます。まずは問題を見てみましょう。
介護保険制度における障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定に用いる項目はどれか。
a 外出
b 失禁
c 徘徊
d 金銭管理
e コミュニケーション
1)【悪い例】ひたすら書き写す
寝たきり度の判定基準を実際に見てみましょう。
これを以下のようにひたすら書き写すのはお勧めしません。
【ランクJ】何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており、独力で外出する。
1.交通機関等を利用して外出する
2.隣近所へなら外出する
【ランクA】屋内での生活は概ね自立しているが介助なしには外出しない
1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する
2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
【ランクB】屋内での生活は何らかのの介助を要し,日中もベッド上での生活が主体であるが座位を保つ。
1.車椅子に移乗し,食事,排泄はベッドから離れて行う。
2.介助により車椅子に移乗する。
【ランクC】1日中ベッド上で過ごし,排泄,食事,着替において介助を要する。
1.自力で寝返りをうつ。
2.自力では寝返りもうたない。
勉強した感は出ますが、覚えるのは無理です。ただ丸写しするのではなく、自分の言葉で覚えるようにしましょう。
2)【良い例】自分の言葉で短く
私ならこんな感じでまとめます。
ランクJ:外出できる
ランクA:室内で自立
ランクB:座れる
ランクC:ベッド上
3)正確に覚えることのメリットとデメリット
中には「そんな一部を覚えるんじゃなくて、全部正確に覚えた方がいいんじゃないですか?」とお考えの方もいるかもしれません。
もちろん、全部覚えられるなら覚えるに越したことはありません。わざわざ短くする必要はありません。しかし、これを全部覚えるのにどれだけ時間がかかるでしょうか?私は記憶力がそれほど良いわけではないので、10分位かかるかもしれません。一方、自分の言葉でまとめた方なら1分もあれば覚えることができます。
この9分の差が非常に重要です。9分あれば、一般問題なら9問位、臨床問題なら3問位解くことができるかと思います。10分間勉強するとして、どちらの方がタメになるでしょうか?
A:10分かけて「寝たきり度」を正確に覚える
B:1分で「寝たきり度」をある程度覚え、9分で一般問題や 臨床問題を数問解く
基本的にBでしょう。全てをきちんと覚えることは一見すると大事なことのように思えますが、非常に時間がかかるため他の勉強ができず、トータルとしては良くないことがしばしばあります。
同様の事例は他にもあります。例えば、1本のネット講座を5時間も6時間もかけながら非常に丁寧に見ても、まだ見ていないネット講座が大量にたまっていたら意味がありません。それよりは板書の量を減らすなどして、2本もしくは3本見た方がいいです。
もちろん、「寝たきり度」をランクJ、A、B、Cがあるとだけ覚え内容は一切覚えないのや、ネット講座を集中もせずただ流しておいて「1日に8本見ました!!」というのも意味がありません。バランスが大切です。
以下の記事も参考になります。