医師国家試験直前期の勉強法 〜その調べ物は得点に結びつくのか?〜

コウメイ:今回は国試直前期の勉強の仕方について考えてみたいと思います。

目次

1)病態生理は大切だけど深入りもよくない

最近質問を受けて思うのですが、以前より病態生理に関する細かい質問が多くなりました。質問をされたことがない方も、この時期はそこそこ問題が解けるようになり、以前より病態生理も分かってきた頃だと思います。

病態生理が分かってくるのはもちろん良いことなのですが、そうなると、どんどん細かいことが気になってしまうようになります。

PTHrPでは代謝性アルカローシスになるのか。なぜだ?なるほど、PTHrPはPTHに比べ腎臓でのHCO3の再吸収抑制が弱いためかぁ。勉強になったなぁ。いや待てよ、なぜPTHrPはPTHに比べ腎臓でのHCO3の再吸収抑制が弱いんだ?そもそも、何でPTHは腎臓でのHCO3の再吸収抑制をするんだ?しかも、なんでその作用が強いんだ?いやいや待てよ、PTHrPが多くなり代謝性アルカローシスになったらそれを代償しようとしてPTHが・・・

このような状態になってしまうと、あっという間に時間だけが過ぎ、結局何をしていたんだかよく分からなかったという結果になってしまいます。病態生理を考えることは大切ですが、それを本当に今考える必要があるのかも意識してみましょう。

2)新しい問題を解いてから古い問題も解いてみる

以前も説明しましたが、新しい問題(特に過去10年分)を解いていないのに、古い問題(80回台以前)を解くメリットはありません。どの問題を優先して解くべきか考えましょう。

3)国試対策本をきちんと理解してから成書を読む

教科書も順序が大切です。基本的な内容を理解していないのに、成書(ハリソン)を読んでいる場合ではありません。国試対策本(ステップ、病態生理できった、病みえ)を読みましょう。その際も1ページから読む必要はありません。よく出題される疾患の部分から読みましょう。

また、心電図やCTを一から理解しようと図書館に行って専門書を借りて全てを読破しようとするのはやめましょう。それは研修医になったらやってください。
※気になる部分だけ読むのはいいと思います。

注意
year noteは教科書ではありませんので注意してください。この本は事実が箇条書きに書いてあるだけで、病態生理はあまり書いてありません。たまに、「year noteにこのように書いてあるのですがなぜですか?」と質問をされる方がいますが、year noteは内容を理解していない方が読むべき本ではありません。

すでに教科書で内容を理解した方が確認のために利用する本です。例えば、「細菌性髄膜炎では多核球と単核球のどっちが上がるんだっけ?時間がないしyear noteでちゃちゃっと確認しよう」→「そうそう、多核球だった」といった感じです。

以上が私がお勧めする勉強法です。もし、勉強が終わらないと悩んでいる方は参考にしてみてください。

色々深く考え過ぎて悩んでいる方はこちらもタメになりますのでぜひ読んでみてください。

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