コウメイ:今回は医師国家試験の勉強はいつから始めるのがいいか?について考えてみます。
1)結論:4年生の終わりか5年生の初めがお勧め
結論から言うと、4年生の終わり(CBT後)か5年生の初めがよいです。5年生から臨床実習が始まると思うので、その時に回っている科の過去問を解くのがお勧めです。
結論は以上なのですが、今回はなぜこの話をしようと思ったかということを説明していきたいと思います。
2)年配の医師の意見は参考にならない
最近、某医療系サイトで「あなたは、いつから医師国家試験の勉強を始めましたか?」というアンケート結果が公表されていました。結果は「半数以上が6年生になってから」というものであり、中には「国試の数か月前」という方もいました。
私の中では多くの方が5年生、早い方で4年生から勉強を開始するイメージがあったのでおかしいと思い、あることが思い浮かびました。あることとは、「アンケートの対象が適切でない」ことです。予想通り、全年齢の医師(主に30代〜60代)が対象となっていました。
3)最近の医師国家試験は難しい
皆さんご存知のように、医師国家試験は年々難しくなっております。特に100回以降から「きちんと考えさせる問題」が増えており、特にここ数年はそれが顕著です。
99回以前はプール問題の割合が多く、選択肢もK2、K3です。はっきりいって簡単です。6年生から勉強して十分に間に合います。
※K2、K3とは下のようなものです。X2、X3に比べはるかに簡単です。
問題:尿比重が高値となるのはどれか?
(1) 多量の尿糖
(2) 造影CT後
(3) 慢性腎不全
(4) 慢性間質性腎炎
(5) 脱水
a (1)、(2)、(3) b (1)、(2)、(5) c (1)、(4)、(5) d (2)、(3)、(4) e (3)、(4)、(5)
正解:b
100回以降は難しくなっており、6年生から勉強を始めては十分な対策をすることができません。がっつり勉強をするのは6年生からになると思いますが、勉強を始めるのは4年生の終わりか5年生の初めがよいです。
くれぐれも、99回以前の国試を受けた方の「6年生になってからで大丈夫だよ」「数か月前からちゃちゃっと過去問をやれば受かるよ」というアドバイスを真に受けないようお願いします。