コウメイ:臍動脈、臍静脈の数は丸暗記ではありません。きちんとした覚え方を実際の過去問を見ながら説明していきます。
医師国家試験101B52
胎児循環で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 臍静脈は2本ある。
b Arantius静脈管は下大静脈に流入する。
c 左右心室は卵円孔で交通している。
d 右室の拍出量の大部分は動脈管を通過する。
e 最も高い酸素濃度の血液が流れる血管は中大脳動脈である。
正解(クリック)
おそらく正解できた方が多いかとは思いますが、臍動脈と臍静脈のどちらが1本でどちらが2本なのか迷いませんか?今回は臍静脈、臍動脈の本数を元に勉強の仕方について考えたいと思います。
目次
1)よくあるダメな解説
まずはよくあるダメな解説です。
臍静脈は1本で、臍動脈は2本。
事実のみを言われてもすぐに忘れてしまいます。丸暗記はダメです。
2)イラストはどうか?
イラストで覚える方法があります。目が動脈で2本、口が静脈で1本です。
さっきよりはまだよいですが、これも所詮丸暗記です。ちょっと時間がたつとどれだっけ?となります。
丸暗記ではなく、本質を理解しましょう。
3)臍動脈はそもそも動脈
臍動脈は動脈であり、何かの動脈の続きです。何動脈か分かりますか?内腸骨動脈です。内腸骨動脈⇒臍動脈となります。内腸骨動脈は2本ありますよね。だから臍動脈も2本です。
4)臍静脈はそもそも静脈
臍静脈は静脈でありどこかの静脈に連続します。どこか分かりますか?門脈と下大静脈です。よって、臍静脈は2本にわかれます。もし臍静脈自体が2本だったら、門脈と下大静脈にわかれた時点で計4本になります。数が多くて何かメリットがあるでしょうか?
特にありません。むしろ、小さな体内にたくさん血管があっては邪魔です。ですので臍静脈は1本なのです。
以上で説明は終わりです。このように丸暗記ではなく本質を考えながら勉強すると忘れにくいです。