大動脈弁狭窄症で心筋虚血?

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28

コウメイ:大動脈弁狭窄症について質問をいただいたので解説します。まずは質問の元になった問題を見てみましょう。

第104回医師国家試験B31
医師国家試験104B31

正解:c

 

この問題に対し以下のような疑問を持ったようです。

読者からの質問

cかdとは思いますが、なぜdではダメでcならいいのかわかりません。ネット講座の解説もイマイチよく分かりません。 具体的にどういうことか教えていただけますでしょうか?

 

コウメイ:なかなか、難しい問題ですね。詳しく解説していきましょう。

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗(体血管抵抗)

まず、血圧を求める式は分かりますか?

 

学生C:血圧=心拍出量×末梢血管抵抗(体血管抵抗)です。

 

コウメイ:正解です。この式はめちゃくちゃ大事なので必ず覚えてください。ところで、心筋を栄養する血管は何でしょうか?

 

学生C:冠動脈です。

 

コウメイ:正解です。では、冠動脈にはいつ血液が流れるでしょうか?

 

学生C:拡張期です。

 

コウメイ:正解です。冠動脈には拡張期に血液が流れます
※収縮期は心筋の血管が潰れており流れません。

拡張期血圧がそこそこ高くないと、冠動脈に血液が流れないことが分かります。ここも大事なので頭に入れておいてくださいね。

それでは、問題にあるように、体血管抵抗が下がると、大動脈弁狭窄症と大動脈弁閉鎖不全症がそれぞれどうなるか見てみましょう。特に拡張期について説明していきます。

 

大動脈弁狭窄症

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗(体血管抵抗)ですが、大動脈弁狭窄症では弁が狭いためあまり血液を拍出することができません。心拍出量は下がっています。そんな中、体血管抵抗も下がるとどうなるか・・。

 

学生C:血圧はめちゃくちゃ下がりそうです。

 

コウメイ:その通りです。冠動脈にあまり血液が流れません。問題にあるように、心筋虚血になりやすいです。

 

大動脈弁閉鎖不全症

次に、大動脈弁閉鎖不全症について考えてみましょう。大動脈弁閉鎖不全症では、逆流があるので、一見すると、心拍出量は下がりそうです。

しかし、体血管抵抗が下がると、大動脈弁にかかる圧が下がるため、逆流量は減ります。その結果、今までより心拍出量は増えます。

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗(体血管抵抗)の体血管抵抗は下がりますが、心拍出量は増えるので、血圧は下がりません(あまり変わりません)。冠動脈に流れる血液量も特別下がることはありません。

 

以上で解説は終わりですが、納得できましたか?今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)