感染症にステロイドを使用してもよいのか? ~細菌性髄膜炎、亜急性甲状腺炎、急性喉頭蓋炎~

コウメイ (@kokusigokaku):読者の方から「感染症にステロイドは使ってよいのか?」との質問をいただきましたので回答します。

読者からの質問

細菌性髄膜炎の治療法で、「感受性のある抗菌薬と副腎皮質ステロイド」と本に書いてあったのですが、ステロイドを加えるのは何故でしょうか?

ステロイドは感染症を悪化させるものと記憶していたので不思議に思いました。ステロイドの副作用である易感染性が菌の繁殖を悪化させてしまわないのでしょうか? 

また、細菌性髄膜炎以外にも、感染症だけどステロイドを用いる疾患をご存知でしたらそれもぜひ教えてください。

 

細菌性髄膜炎

結論から言うと細菌性髄膜炎にステロイドを使用することがあります。ガイドラインにも記載されているので詳しく知りたい方は読んでみましょう。

細菌性髄膜炎の診療ガイドライン

髄膜炎はなぜ悪いのでしょうか?病気というのは細菌だけが悪さをしているわけではありません。ヒトの体は細菌を攻撃するために炎症反応が起こります。その炎症反応が細菌だけを攻撃すれば良いのですが、自分の体も攻撃してしまいます。

程度にもよりますが、炎症反応を抑えたほうが最終的に予後が良いことが分かっています。そのためにステロイドを使用します。

当然、ステロイドを使用すると感染症が悪化する可能性はあります。ですので、ステロイド単独での使用はダメです。必ず抗生剤を併用します。

※正確には髄膜炎の中でもステロイドを使用する場合とステロイドを使用しない場合があります。研修医になって治療するときは指導医に相談したり、ガイドラインをよく読んから判断してください。

他にステロイドを使用する感染症としては亜急性甲状腺炎と急性喉頭蓋炎が有名です。

亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎は喉の痛みがメインの症状です。結構痛いです。NSAIDsで軽減する場合もありますが、あまり効果がないこともしばしばあり、その場合はステロイドが使用されます。ステロイドはかなり効果があり翌日には大分楽になります。基本的に亜急性甲状腺炎を悪化させることはありません。

急性喉頭蓋炎

急性喉頭蓋炎では喉頭蓋に強い炎症が起こり浮腫になります。喉頭蓋が浮腫を起こすと空気の通りが悪くなり、最悪呼吸ができなくなります。ステロイドは浮腫を改善する効果があるので急性喉頭蓋炎の治療に用いられることがあります。

ステロイドを使用する感染症としてとりあえずは上記を理解しておけば大丈夫かと思います。