感染症にステロイドは使ってよいのか

最終確認日:2017/07/23 最終更新日:2017/07/23

コウメイ:読者の方から「感染症にステロイドは使ってよいのか?」との質問をいただきましたので回答します。まずは質問を詳しく見てみましょう。

読者からの質問

細菌性髄膜炎の治療法で、「感受性のある抗菌薬と副腎皮質ステロイド」と本に書いてあったのですが、ステロイドを加えるのは何故でしょうか?

ステロイドは感染症を悪化させるものと記憶していたので不思議に思いました。ステロイドの副作用である易感染性が菌の繁殖を悪化させてしまわないのでしょうか? 

また、細菌性髄膜炎以外にも、感染症だけどステロイドを用いる疾患をご存知でしたらそれもぜひ教えてください。

 

 

細菌性髄膜炎にステロイドは使用して良いのか?

コウメイ:結論から言うと細菌性髄膜炎にステロイドを使用することがあります。ガイドラインにも記載されているので詳しく知りたい方は読んでみましょう。

細菌性髄膜炎の診療ガイドライン

 

ステロイドを使用する理由

髄膜炎はなぜ悪いのでしょうか?病気というのは細菌だけが悪さをしているわけではありません。ヒトの体は細菌を攻撃するために炎症反応が起こります。その炎症反応が細菌だけを攻撃すれば良いのですが、自分の体も攻撃してしまいます。

場合によっては細菌がヒトを攻撃する以上に、炎症反応が ヒトを攻撃してしまうことがあります。それを防ぐためにステロイドを用いることがあります。

 

感染症が悪化しないのか?

当然、感染症が悪化する可能性はあります。ですので、ステロイド単独での使用はダメです。必ず抗生剤を併用します。

ステロイドを使用するメリットとして過度の炎症反応を抑えることができます。ステロイドを使用するデメリットとして感染症が悪化する可能性があります。

それではステロイドを使った方がいいのか?使わないほうがいいのか?

これ以上は頭で考えてもは分かりません。過去の統計を見てみましょう。「あるヒトにはステロイドを併用し、あるヒトにはステロイドは使わない(抗生剤のみ)で死亡率がどうなるか」という統計です。

統計によると、「ステロイドを併用したほうが死亡率が低い」との結果がでました。それが根拠(エビデンス)となりステロイドを併用することがあります。

もっと細かいことを話すと病原菌によってステロイドを使用した方がいい場合と、ステロイドを使用しない方がいい場合があります。ですので、研修医になって治療するときは指導医に相談したり、ガイドラインをよく読んから判断してください。

 

ステロイドを使用する感染症

細菌性髄膜炎以外でステロイドを使用する感染症として肺炎があげられます。ただしこれも、ステロイドを使ったほうが良い場合と、使わないほうが良い場合がありますので、研修医になり実際に使う場合は指導医とよく相談してから行ってください。

他にもステロイドを使う感染症がありますので、もっと知りたい方はこちらをご覧ください。

感染症にステロイドは使ってよいのか?2