SIADHで高血圧にならない理由

最終確認日:2017/07/23 最終更新日:2017/07/23

コウメイ:読者の方からSIADHについて質問をいただきました。

読者からの質問

SIADHで高血圧をきたさないのはなぜですか?水の再吸収が増え、循環血漿量が上昇するために血圧が上がるイメージがあるのですが・・・。

 

 

SIADHとは

コウメイ:まず、SIADHについての簡単な復習です。SIADHとはADHが過剰に分泌されるため、腎の集合管からいつも以上に水分が再吸収される病気です。では、この水分はどこへ行くのでしょうか?

水分はどこへ

学生B:血管じゃないんですか?

 

コウメイ:もちろん、まずは血管に行きます。でもそこにとどまっているわけではありません。そもそも人間は60%が水分ですが、

  • 40%が細胞内
  • 15%が間質
  • 5%が血管

にあります。大事なのが水分は細胞内、間質、血管間を自由に行き来できるということです。

集合管から再吸収された水分はまずは血管に行きますが、その後間質、細胞内に行くので血管内にはあまり残りません。つまり血管内のボリュームはあまり増えません。ですので血圧は上がりません。

 

学生B:でもちょっとはボリュームが増えるのですよね。やはり血圧は上がるのではないでしょうか?

 

RAA系

コウメイ:なかなかするどい質問ですね。たしかにちょっとはボリュームが増えます。その結果どうなるかというと、レニンの分泌が抑制されます。レニンの分泌が抑制されると当然アルドステロンの産生が低下します。アルドステロンは何をしているか覚えていますか?

 

学生B:血管を収縮させて血圧をあげます。

 

コウメイ:正解です。SIADHでは先程説明したように、アルドステロンの産生が低下します。ですので、血管はあまり収縮せず血圧は上がりません。 以上の理由からSIADHでは血圧は上がりません。今回の講義は終わりです。お疲れ様でした(^_^)