肝硬変でアンギオテンシノーゲンは無くなる?

最終確認日:2017/07/25 最終更新日:2017/07/25

コウメイ:読者から肝硬変とアンギオテンシノーゲンとの関係について質問をいただいたので解説していきます。なかなかいい質問です。

読者からの質問
肝硬変では血中のアルブミンが低下し、循環血漿量が低下するので、代償的にRAA系が亢進して、水を再吸収すると習いました。しかし、RAA系のもと?になるアンギオテンシノーゲンは肝臓で作られるものではないのでしょうか?となると、RAA系が亢進しないような気もします。

 

肝硬変とアンギオテンシノーゲン

コウメイ:肝硬変では血液中のある蛋白が減るんですが、何か分かりますか?

 

学生C:アルブミンです。

 

コウメイ:正解です。勉強していますね〜。アルブミンは水を引きつける力があるので、それが減る肝硬変では血液から水が減ってしまいます。その結果どうなるか?

 

学生C:レニン分泌が亢進し、アンギオテンシン、アルドステロンが増えます。

 

コウメイ:その通りです。その結果、尿細管でのナトリウム再吸収が増え、血液の量が増えます。ところで、このアンギオテンシノーゲンって、どこで作られているか知っていますか?

 

学生C:肝臓です。

 

コウメイ:正解です。「じゃ、肝硬変ではアンギオテンシノーゲンが作られなくなり、RAA系が亢進しないんじゃないですか?」というのが今回の質問です。

結論から言うと、肝硬変でもアンギオテンシノーゲンは作られます。これはどの教科書にも書いてあることなので、事実なのでしょう。ですので、今回はなぜ肝硬変でもアンギオテンシノーゲンが作られるのか考えてみたいと思います。

大きく、2つの理由が考えられます。

 

理由その1 肝臓に余力がある

理由の一つとして考えられるのは、「肝臓に余力がある」ということです。

肝硬変になったからといって、肝臓の働きがゼロになっているわけではありません。少なからず働いている細胞もあるはずです。それらがアンギオテンシノーゲンを産生しているのでしょう。

 

理由その2 腎臟、脂肪細胞でも産生される

アンギオテンシノーゲンは肝臓で作られるのが有名ですが、腎臟脂肪細胞でも作られているようです。肝臓での産生が減った分、腎臓や脂肪細胞で代償しているのかもしれません(個人的には理由その1の方がメインだと思います)。

 

以上が肝硬変でもアンギオテンシノーゲンが作られる理由です。今回の講義は終わりです。お疲れ様でした(^_^)