肝硬変でアンギオテンシノーゲンは減少するのか?

コウメイ(@kokusigokaku):読者から肝硬変とアンギオテンシノーゲンとの関係について質問をいただいたので解説していきます。なかなかいい質問です。

読者からの質問
肝硬変では血中のアルブミンが低下し、循環血漿量が低下するので、代償的にRAA系が亢進して、水を再吸収すると習いました。しかし、RAA系のもと?になるアンギオテンシノーゲンは肝臓で作られるものではないのでしょうか?となると、RAA系が亢進しないような気もします。

 

肝硬変とアンギオテンシノーゲン

肝硬変ではアルブミンが減少します。アルブミンは水を引きつける力があるので、肝硬変では血液から水が減ってしまいます。代償としてレニン分泌が亢進し、アンギオテンシン、アルドステロンが増えます。その結果、尿細管でのナトリウム再吸収が増え、血液の量が増えます。

ところで、このアンギオテンシノーゲンって、どこで作られているか知っていますか?肝臓ですね。

「それなら、肝硬変ではアンギオテンシノーゲンが作られなくなり、RAA系が亢進しないんじゃないですか?」

というのが今回の質問です。

結論から言うと、肝硬変でもアンギオテンシノーゲンは作られます。これはどの教科書にも書いてあることなので、事実なのでしょう。ただし、「なぜ肝硬変でもアンギオテンシノーゲンが作られるのか」についての記載を見つけることはできませんでした。

以下、私の考えを述べたいと思います。大きく、2つの理由が考えられます。

アンギオテンシノーゲンを合成する余力はある

理由の一つとして考えられるのは、「肝臓に余力がある」ということです。肝硬変になったからといって、肝臓の働きがゼロになっているわけではありません。少なからず働いている細胞もあるはずです。それらがアンギオテンシノーゲンを産生しているのでしょう。

アンギオテンシノーゲンは腎臟、脂肪細胞でも産生される

アンギオテンシノーゲンは肝臓で作られるのが有名ですが、腎臟脂肪細胞でも作られているようです。肝臓での産生が減った分、腎臓や脂肪細胞で代償しているのかもしれません(個人的には前者の理由がメインだと思っています)。

以上が肝硬変でもアンギオテンシノーゲンが作られる理由です。