コウメイ:読者の方から「急性膵炎の治療」について質問をいただきましので回答します。まずは質問の元になった問題を見てみましょう。
医師国家試験105I3
膵炎を合併した急性胆管炎の初期対応として正しいのはどれか。
a 血漿交換を行う。
b 緊急開腹手術を行う。
c 高脂肪食に変更する。
d 胆道ドレナージを行う。
e 非ステロイド性抗炎症薬〈NSAID〉を投与する。
正解(クリック)
これに対し以下のような疑問を持ったようです。
読者からの質問
参考書に「初期対応で疼痛管理」とあるのですが、NSAIDsの投与はなぜいけないのでしょうか?
目次
1)急性膵炎はものすごく痛い
まず基本的なこととして、急性膵炎はかなり痛いです。NSAIDsといえばロキソニンが有名ですが、飲んだことありますか?頭痛などで飲んだことがあるかもしれませんが、完全には痛みはおさまらないと思います。急性膵炎ならなおさらです。もっと強い薬が必要です。
2)急性膵炎の鎮痛に使用する薬
急性膵炎には非オピオイド系の強力な鎮痛薬である、ブプレノルフィンやペンタゾシンが使用されます。
※軽症であればNSAIDsが使われることもあります。重症ではショックになる可能性がありNSAIDsは使用しません。
3)急性膵炎ガイドライン2015
より詳しく知りたい方は急性膵炎ガイドライン2015(特にp130の鎮痛の項目)をご覧ください。
全部で200ページ以上あるので全ては読まないのが賢明です。