コウメイ:読者のからネット講座について質問をいただきました。
某ネット講座で「テキストの間違えた問題の文章を何度も書いて覚えるように」と説明していたで、ノートに書き出して繰り返しチェックするようにしています。しかし、それで穴が埋められるのか不安です。ネット講義、病みえとどのように使い分けて行ったらいいでしょうか?
1)ノートに書き出すのは勉強の基本
ノートに書くことは勉強の基本だと思いますのでやったほうがいいです。だたし、問題全てを書き出す必要はありません。そんなことしていたら終わりません。自分の言葉でコンパクトにまとめましょう。
私ならどのように問題をまとめるかご紹介します。例えば、医師国家試験100C25を勉強するとします。皆さんはどのようにノートにまとめますか?
55歳の男性。激しい胸痛のため救急車で搬入された。
現病歴:1週前から階段を昇るときに前胸部痛を自覚したが安静にて消失するため放置していた。今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。
既往歴:48歳から脂質異常症で加療中である。
現 症:意識は清明。顔面は苦悶様である。体温36.6℃。呼吸数25/分。脈拍64/分、整。血圧144/96mmHg。貧血と黄疸とを認めない。皮膚は冷汗をかき湿潤である。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:比重1.018、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球520万、Hb 16.7g/dL、Ht 50%、白血球10,400、血小板26万。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、AST 55U/L、ALT 20U/L、LD 350U/L(基準176~353)、CK 680U/L(基準10~40)、Na 144mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 106mEq/L。心電図(A)を別に示す。
まず行う処置はどれか。2つ選べ。
a 酸素吸入
b 静脈路確保
c 利尿薬投与
d アドレナリン投与
e 電気的除細動
2)ダメなノート取り方
これを全てノートに写したとしましょう。
55歳の男性。激しい胸痛のため救急車で搬入された。
現病歴:1週前から階段を昇るときに前胸部痛を自覚したが安静にて消失するため放置していた。今朝から激しい前胸部痛が出現し持続している。
既往歴:48歳から脂質異常症で加療中である。
現 症:意識は清明。顔面は苦悶様である。体温36.6℃。呼吸数25/分。脈拍64/分、整。血圧144/96mmHg。貧血と黄疸とを認めない。皮膚は冷汗をかき湿潤である。心雑音はない。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:尿所見:比重1.018、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球520万、Hb 16.7g/dL、Ht 50%、白血球10,400、血小板26万。血清生化学所見:尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、AST 55U/L、ALT 20U/L、LD 350U/L(基準176~353)、CK 680U/L(基準10~40)、Na 144mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 106mEq/L。心電図(A)を別に示す。
まず行う処置はどれか。2つ選べ。
a 酸素吸入
b 静脈路確保
c 利尿薬投与
d アドレナリン投与
e 電気的除細動
正解:a、b
全部読んだ人いました?
いないですよね。これをノートに全て移しても意味がありません。時間の無駄です。
3)コウメイのノートのまとめ方
私ならこのようにノートにまとめます。
【100C25】
55歳男性。激しい胸痛。1週間前から症状あり。CK高値。ST上昇。
診断:急性心筋梗塞
治療:酸素、静脈路確保
これなら読んでいただけたかと思います。大切な部分は実際の問題の1/10位だと思います。この程度で十分なのでぜひ自分の言葉でノートにまとめてみてください。
4)穴のない勉強法
ノートにまとめるというのは勉強の基本なのでぜひやっていただきたいのですが、これだけで穴がない、つまり国試対策が完璧なはずはありません。というか、穴だらけです。ではどうすればいいのか?
1つの問題から知識を広げる
解いた問題から知識を広げてみましょう。これ、めちゃくちゃ大事です。具体的にどうすればいいのか先程の問題で説明していきます。今回は急性心筋梗塞の初期治療を問う問題でしたが、
- 冠動脈の走行
- 狭心症との違い
- 急性心筋梗塞の症状
- 急性心筋梗塞の診断
- 急性心筋梗塞の根本的な治療
- 急性心筋梗塞の合併症
- 急性心筋梗塞の原因
など気になりませんか?そういうのを教科書で確認し、ノートにまとめるのがいいです。
※この際も、教科書を全て丸写しするのではなく、自分の言葉でコンパクトにまとめてみてください。
特に病気の概念、診断、治療については全ての病気で確認することをオススメします。これをやると大分穴は無くなります。
ネット講座+教科書
国試予備校の講師も得意、不得意な分野があり、不得意な分野は説明が適切でなかったり、不足していることがあります。ときには間違って解説する場合もあります(医学はかなり膨大なためこれはしょうがないことです。本ブログも同様です)。そんな時は教科書で調べてみましょう。きっと記憶に残りやすくなるはずです。
以上を参考に教科書、ネット講座を利用していただければと思います。
ノートのとり方はこちらも参考にしてみてください。