MLF症候群で輻輳が可能な理由

最終確認日:2017/07/26 最終更新日:2017/07/26

コウメイ:読者のよりMLF症候群について質問をいただいたいので回答します。まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

MLF症候群について質問です。水平共同運動障害により内転ができないということは理解したのですが、輻輳はできるということが理解できません。

 

眼球運動の命令はどこから?

コウメイ:眼球運動の命令はどこから来るか知っていますか?

 

学生C:そう言えばどこかな?

 

コウメイ:意外と知らない方も多いのではないでしょうか。実は前頭葉と言われています。まずはこれを頭に入れておいてください。 では、右から左へ動くものを見る時、どのように命令が伝わるでしょうか?

 

学生C:前頭葉が左眼の外転神経と右眼の動眼神経に命令を出すんじゃないですか。

 

コウメイ:一見するとそうなんですが、2つの神経に同時に一寸の狂いもなく命令を出すのって難しいんです。少しでもズレるとものがダブって見えます。つまり複視になってしまいます。

PPRF(橋網様体傍性中部)

コウメイ:ではどうすればいいのか?実はこの命令(左の外転神経と右の動眼神経)に特化した器官があるんです。それがPPRF(橋網様体傍性中部)です。

PPRFは一寸の狂いもなく左の外転神経と右の動眼神経に命令を出すことができます。PPRFが反対側の動眼神経に命令を出す経路をMLF(内側縦束)と言います。

PPRFの機序

 

MLF症候群

コウメイ:このMLFの部分(橋)が傷害されたのがMLF症候群です。

MRF症候群

多発性硬化症、脳血管障害、脳腫瘍などが原因です。

ちょっと話を変えます。輻輳(寄り目)にするときはどのような命令が伝わると思いますか?

 

学生C:PPRFが動眼神経に命令を出し内転させる?

 

コウメイ:違います。ここが勘違いしやすいのですが、PPRFは右から左(もしくはその逆)へ動くものを見る時専用の命令系です。

輻輳は右左関係なくど真ん中を見る時に起こりますのでPPRFは関係ありません。MLFも関係ありません。輻輳も特別な命令形があって第5次視覚野という部分が命令を出すと言われています。PPRFやMLFは関係ありません。

以上の理由からMLF症候群の時も輻輳は可能となります。これで説明は終わりですが納得できましたか?

今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)

※第101回医師国家試験E-22〜24がMLF症候群の問題ですので解いてみるといいです。