慢性リンパ性白血病 | 免疫異常?

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

コウメイ:読者の方から白血病について質問をいただきました。

読者からの質問

100B38についての質問です。免疫異常を合併しやすいものを選べとあり、選択肢が

  1. 急性骨髄性白血病
  2. 急性骨髄単球性白血病
  3. 急性リンパ急性白血病
  4. 慢性骨髄性白血病
  5. 慢性リンパ急性白血病

となっています。

答えはeの慢性リンパ球性白血病なのですが、そのほかの選択肢も骨髄球やリンパ球に異常が出て免疫異常をおこしたりしないのでしょうか。

 

コウメイ:なかなか鋭い質問です。

癌なんだからどれも易感染性などの免疫異常がでるはず。ひとつだけ選択肢は選べないよな~。何なんだこの問題は?このように思われた方は正常です。きちんと勉強しています。今回のポイントは自己免疫異常です。

 

自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

慢性リンパ性白血病(CLL)は癌なので易感染性などの免疫力低下はもちろんあるのですが、それ以外にAIHAを引き起こすことがあります。AIHAとは赤血球に対する抗体ができてしまい、赤血球が脾臟でどんどん破壊される病気です。

CLLの患者さんに貧血が起こった時、「骨髄抑制がありますからね。そのせいで貧血もおこったのでしょう」と短絡的に決めつけてはダメです。必ずAIHAも鑑別に挙げましょう。

 

AIHAの原因

以上から分かるようにAIHAには原因があります。原因はCLLだけではありません。他にも

  • SLE
  • 関節リウマチ
  • 悪性リンパ腫
  • AIDS

などがあります。AIHAを疑ったときは必ず原因(基礎疾患)は何か考えるようにしてください。くれぐれも「貧血があるので輸血で様子をみましょう」などということはしないようお願いします。

 

AIHAに輸血はダメ

AIHAは血液中に赤血球を攻撃する抗体がうじゃうじゃいますので、輸血してもその餌食(えきじ)になるだけです。無駄なのでやめましょう。AIHAの治療は基本ステロイドです。ステロイドで抗体産生を抑制させます。知らなかったひとは覚えておきましょう。

 

細胞性免疫の低下

CLLは細胞性免疫の低下も起こします。細胞性免疫は癌細胞を攻撃する作用もあるので、細胞性免疫が低下すると悪性腫瘍が合併しやすくなります。CLLに加え、こちらの検査、治療も併せて必要になってきます。

 

出題者のメッセージ

今までの説明を読むと出題者のメッセージが分かったと思います。CLLはAIHAや悪性腫瘍が合併しやすいので注意してください。これを言いたかったのだと思います。なるほど~って感じですよね。実は結構いい問題でした。

本当はいい問題を学生に「いい問題」と思ってもらえるか、「なんだこの問題は」としか思ってもらえないかは解説者によります。本ブログでは問題を解いた後、「いい問題だった」、「解いてよかった」と思ってもらえるような解説をしていきますので今後もよろしくお願いします。