コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から「劇症肝炎で血糖値が下がる理由」について質問をいただきましたので回答します。
読者からの質問
劇症肝炎ではグリコーゲンが蓄積できなくなり血糖値は下がるのに、肝硬変では血糖値が上がるのはなぜですか?
目次
肝臓は血糖の貯蔵庫
血糖値は色々な臓器で調節を受けますが、肝臓はその中でも特に大切です。血糖値が高いときはブドウ糖をグリコーゲンや脂肪として蓄え、血糖値が低いときはグリコーゲンをブドウ糖に分解し血糖値を上げます。
※脂肪をブドウ糖にはできません。
肝臓が悪くなると血糖の貯蔵も産生もできない
劇症肝炎や肝硬変で肝臓の機能が悪くなると先ほどの調節ができなくります。血糖値が高くてもそのまま、低くてもそのままです。
【劇症肝炎】
ところで劇症肝炎ってどんな病気でしょうか?救命率50%以下の大変重症な病気です。食事をとれる状態ではありません。食事をとらないと当然血糖値は下がります。肝臓が正常ならグリコーゲンをブドウ糖に変え血糖値を上げますが、劇症肝炎ではそれができません。なので血糖値は下がります。
【肝硬変】
一方、肝硬変はどんな病気でしょうか?良くはない病気ですが、食事は普通にとることができます。食事をとると血糖値が上昇します。肝臓が正常ならブドウ糖をグリコーゲンや脂肪に変えますが、肝硬変ではそれができないので血糖値は上がります。
食事をとらないと血糖値は下がります。正常であればグリコーゲンがブドウ糖になり血糖値が保たれますが、肝硬変では上手くできないので血糖値は下がり続けます。
ただし、血糖値が下がるとお腹がすきます。普通、お腹がすくと何か食べるので血糖値が下がり続けるということはありません。まして今の日本は食べ物が豊富ですので、血糖値が下がるという状態はあまり起きないでしょう。
以上、食事の影響が大きいです。