食中毒の原因菌は?

最終確認日:2017/07/28 最終更新日:2017/07/28

コウメイ:今回は医師国家試験の食中毒の問題について質問をいただきました。まずは問題を見てみましょう。

第87回医師国家試験B97

7月下旬、腹痛、下痢、発熱を主症状とする患者が多発した。患者に共通していたことは2日前に某料理店で会食をしたことであった。食品摂取状況による発病率を比較すると、牛肉のたたきと焼き鳥を食べた群の発病率が食べなかった群より優位に高かった。

最も考えられる原因菌はどれか。

  1. Welch菌
  2. サルモネラ
  3. ブドウ球菌
  4. 腸炎ビブリオ
  5. カンピロバクター

正解:e

 

この問題に対し次のように疑問に思ったようです。

読者からの質問

食中毒の原因として牛肉のたたきと焼き鳥が挙げられ、潜伏期間が2日なのでサルモネラとカ ンピロバクターが正解と考えたのですが、解答はカンピロバクターのみでした。なぜ、サルモネラが正解とならないか教えてください。

 

原因菌と潜伏期間

コウメイ:食中毒は食べ物によって原因菌が異なります。牛肉のたたき、焼き鳥といえばサルモネラかカンピロバクターでしょう。それぞれの見分け方ですが、潜伏期間が異なります。

サルモネラ

サルモネラ菌

潜伏期間は6〜48時間と言われています。ただし、6〜24時間と記載してある文献もあるので、48時間よりは早いことが多いのでしょう。

カンピロバクター

カンピロバクター

潜伏期間は2〜5日と言われています。

 

今回の問題では、潜伏期間が最低でも2日なので、どちらかと言えばカンピロバクターの方が可能性が高いと思われます。

言いたいことは分かりましたが、そんな微妙な日数で判断していいんですか?とお思いのあたな、その通りです。

私は正解を知っていたので、解説しましたが、正解を知らなかったら正直迷うと思います。実際は質問者が考えたようにサルモネラの可能性も考えることが必要です。そして、便からの菌の検出などを行い確定診断していきます。

若干、納得がいかない問題ですが、これ以上深入りしてもあまりメリットはありませんので、この辺で終わらせて次の問題にいくのがいいです。

 

古い問題より新しい問題を解こう

この問題は87回と大分古いです。もう20年以上前の問題ですね。今まで何度も言いましたが、新しい問題を解く前に古い問題を解くメリットはありません。そもそも、病気の概念、治療法が異なっている場合もありますからね。

まずは過去10年分位に絞って解くのがいいかと思います。それが終わったら好きなだけ古い問題も解いてみましょう。

勘違いしないようにもう一度言います。古い問題を解くのが無駄と言っているわけではありません。新しい問題より優先して解くメリットがないと言っているのです。以上、若干脱線しましたが、食中毒についての勉強でした。