慢性膵炎の病歴 | 血清アミラーゼはなぜ上がる?

最終確認日:2017/07/29 最終更新日:2017/07/29

コウメイ:Chiroさんから慢性膵炎について質問をいただきました。機能障害はいつから起こるのでしょうか?まずは質問を見てみましょう。

読者からの質問

慢性膵炎について質問です。イヤーノートに血清アミラーゼ・リパーゼ上昇とありました。慢性膵炎では外分泌機能は低下するはずなのに、なぜ血中濃度は上昇するのでしょうか?

 

慢性膵炎はなぜ痛い

コウメイ:そもそもなんですが、なぜ慢性膵炎は痛いのでしょうか?

 

学生B:膵炎だから痛いんですよ、膵炎だから。

 

コウメイ:だから、なぜ痛いのですか?

 

学生B:よく知りませんけど、痛いんです!!

 

コウメイ:・・・、ダメですね。慢性膵炎というか膵炎は消化酵素が周りに漏れるから痛いんです。慢性膵炎は常に酵素が漏れているわけではありません。酵素が漏れていない時は痛みはありません。

しかし、アルコールや食事などをきっかけに大量に漏れることがあります。これを急性再燃期といい、痛みを伴います。ということは、痛みがあるということは、酵素の分泌がある程度保たれていることを意味します。

 

機能障害の程度

Chiroさんが仰るとおり、慢性膵炎は外分泌機能が低下する病気です。しかし、最初は機能障害はありません。治療をせずアルコールを飲んだりすると、外分泌機能が徐々に低下します。

慢性膵炎の経過

最初は腹痛は強いのですが、機能障害はありません。悪化すると、腹痛は弱くなり機能障害は強くなります。腹痛が無くなったからといって、安心することのないようお願いします。

 

外分泌能と血中濃度

学生B:機能障害が一気に起こらないことは分かりました。でも、外分泌能は低下しているんですよね。じゃ、どうして血中濃度は高いんですか?

 

コウメイ:ここ勘違いしている人がいるかもしれませんが、アミラーゼやリパーゼは普通消化管に分泌されています。消化管です、血管ではありません。普段これらの血中濃度があがることはありません。

しかし、慢性膵炎というか膵炎では膵臓で炎症が起こっているため、周りの血管が障害され、そこから血管内にアミラーゼやリパーゼが入ります。つまり、外分泌能は低下しても、血管内に入る割合が大きくなるので血中濃度が上がるのです。ということは、腹痛があるとき、つまり炎症がひどい時に特に血中濃度があがります。

なお、慢性膵炎の末期は外分泌能がなくなりますので、血中濃度は上がりません。

これで解説は終わりですがChiroさん納得できましたか?今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)