初乳と成乳との違い 〜実際の初乳と胎便を確認しよう〜【105E38】

コウメイ:医師国家試験の勉強は文字だけでなく実物を確認することが大切です。今回は初乳と胎便を確認しましょう。まずは国試の過去問を見てみます。

医師国家試験105E38

成乳と比較した初乳の特徴はどれか。3つ選べ。

a 熱量が高い。
b 乳糖を多く含む。
c 胎便の排泄を促す。
d 蛋白質を多く含む。
e 免疫物質を多く含む。

正解はc、d、eですが、以下のような丸暗記はよくありません。

  • 熱量は低い
  • 乳糖は少ない
  • 胎便の排泄を促す
  • 蛋白が多い
  • 免疫物質が多い

そもそも、初乳を見たことがありますか?写真で確認しましょう。

目次

1)初乳の役割 〜免疫、胎便排泄〜

実物を確認したところで、初乳と成乳との違いについて説明していきます。初乳の役割は免疫、胎便排泄です。免疫といえば免疫グロブリン(主にIgA)、つまり蛋白質ですね。ですので初乳は蛋白質を多く含みます。

ところで胎便も見たことありますか?これもスルーせず見てみましょう。

医師国家試験107G44_画像_胎便の写真
画像:医師国家試験107G44

初乳には胎便排泄を促す作用があります。一般の方でも知っている有名なことのようなので、医者になる皆さんはぜひ知っておきましょう。

2)成乳の役割 〜成長〜

成乳の役割は成長です。エネルギー源である乳糖が多く熱量が高いです。生まれる直前は母と胎盤で繋がっているので、生まれた直後は栄養はあります。生まれてしばらくしてからエネルギー源が必要になります。

以上が正しい覚え方です。丸暗記でなくきちんと病態を理解する、文字は画像で確認することが大切です。

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