心静止と補充調律 〜洞結節、洞房結節、ヒス束は機能しないのか?〜

コウメイ(@kokusigokaku):心静止の記事についてご質問をいただいたので回答します。

※該当の記事はこちらです。

 
読者からの質問

心静止について質問です。洞結節の命令がない状態が心静止で、故に波形は平坦とあります。 私は洞結節がだめなら洞房結節が、洞房結節もだめならヒス束が、ヒス束もだめならプルキンエ線維が刺激を送ることができると学びました。

能力の差があり、洞結節:70/分、洞房結節:50/分、ヒス束以下:30/分程度の刺激を送れるというものです。

心静止は洞結節だけではなく、いずれの刺激伝導系も機能しておらず電気刺激のない状態であるという理解で間違ってないですか?

 

結論から言えば質問者様の理解で間違いありません。

心静止はいずれの命令もない

心静止は洞結節はもちろん、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維からの命令もない状態です。

補充調律は常に起こるわけではない

教科書には洞結節が命令を出さない時に、房室結節、ヒス束、プルキンエ線維が命令を出すと書いてあります。これを補充調律や自動能と言います。この補充調律は絶対に起こるものではありません。

人は亡くなるとき最終的に心静止になりますが、「まず洞結節が機能しなくなり、次に房室結節が機能しなくなり、ヒス束が機能しなくなり、プルキンエ線維が機能しなくなり」とはならないですよね。

洞結節が命令を出さない状態は、そもそも心臓全体があまりよい状態ではないので、他の刺激伝導系も命令を出せない状態のことが多いのではないかと思います。

補充調律は不安定

どういうときに補充調律が起こって、どういうときに補充調律が起こらないかは分かりません。

ただ、覚えておいていただきたいのは、補充調律は不安定だということです。補充調律が出現したかと思ったらすぐに無くなってしまうことがあります。補充調律が見られたからといって安心することのないようにしましょう。

以上でご質問への回答は終わりです。