アルコール性肝障害でIgAが上がる理由

コウメイ:読者の方から「なぜアルコール性肝障害でIgAが上がるのですか?」との質問を頂いたので回答します。

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アルコール性肝障害とIgA

結論から言うと詳しくは分かっていないと思います。機序はよく分からないのですが、タメになるお話をしていきます。

アルコール性肝障害でIgAが高くなることは確かです。これは比較的新しい情報なので教科書には載っていませんが、論文として報告されています。しかし、なぜアルコール性肝障害でIgAが高くなるかまでは分かっていないと思います。

機序が分かっていなくても臨床上有用です。例えば、肝機能異常がある患者で、毎日飲酒するためアルコール性肝障害が疑われたとします。 しかし、その他の原因(ウイルスなどの感染症)も否定できません。どう鑑別したら良いでしょうか?

IgAを測定すれば良いです。IgAが高ければアルコールが原因の可能性が高いですし、IgAが低ければアルコールが原因の可能性は低くなります。

なぜ鑑別が必要なのか?

原因が異なれば当然治療法が異なります。アルコールが原因なら当然禁酒が必要ですし、ステロイドを使用することもあります。ステロイドを使用するということは、感染症があった場合悪化することを意味します。

もし、アルコールが原因でなく感染症が原因だったら、治療していたつもりが悪化させていたということになってしまいます。だから原因の鑑別は非常に重要です。

ちなみにアルコール性肝障害ではAST>ALTとなります。これもなぜAST優位になるかは詳しく分かっていませんが、私はASTのSはsake(酒)のSと語呂合わせで覚えています。いつも丸暗記はダメと言っておりますが、必要なときにゴロを使うのは有用です。
※もちろん、語呂合わせだけ覚えるという勉強法はダメです。

以上、アルコール性肝障害とIgAについて解説しました。詳しく分かっていないところなのでスッキリしないかもしれませんが、これで説明とさせてください。

追記

質問者様から以下のコメントをいただきました。

私は、アルコール=alcohol=《A》lcoholからIg《A》に関連させて覚えています。邪道ですが。

詳しい病態が分かっていない場合はこういう覚え方は全然ありです。参考になりました。

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