コウメイ(@kokusigokaku):今回は心房細動について考えていきます。
第100回医師国家試験D14(抜粋)
58歳の男性。高血圧で通院中、自覚症状はなかったが 不整脈が発見された。脈拍84/分、不整。血圧142/90mmHg。 眼瞼結膜に貧血なし。頸部は視診と触診で異常なし。
必要な検査はどれか。
- 下垂体機能
- 甲状腺機能
- 副甲状腺機能
- 副腎皮質機能
- 性腺機能
答え(クリック)
b
目次
心房細動は治療と原因検索が必要
脈拍は不整であり、心電図でRR間隔がバラバラなので不整脈の診断は心房細動です。
「心房細動なら抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)を投与すればいいんでしょ」
と思った方は少し甘いです。確かに抗凝固薬の投与を検討する必要がありますが、原因を考える必要があります。
心房細動を引き起こす原因
心房細動を引き起こす代表的な疾患を載せておきます。心房細動をみたらこれらの疾患が隠れていないか確認するようにしてください。
- 僧帽弁狭窄症
- 心房中隔欠損症
- 拡張型心筋症
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症
- 高血圧症
- 睡眠時無呼吸症候群
丸暗記するのではなく、心臓(特に心房)に負担がかかってそうとイメージすることが大切です。
頸部の視診と触診だけでは甲状腺疾患は否定できない
ちなみに、問題文に「頸部は視診と触診で異常なし」とありますが、視診と触診だけでは甲状腺疾患を否定することはできません。血液検査が必要です。
以上、心房細動について解説しました。
心房細動に限らず、きちんと心電図を読めるようになりたい方は拙書「レジデントのためのこれだけ心電図」がお勧めです。
※「レジデントのための」とありますが、医大生でも読むことが可能です。(余裕があれば)学生のうちに読んでおくと、臨床実習がより有意義なものになるでしょう。
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