医師国家試験の勉強は「概念、診断、治療、+α」を浅く、広く

コウメイ:医学の勉強は概念、診断、治療、+αが大切で、国家試験に受かるためには浅く、広く勉強することが大切です。

例えば急性心筋梗塞を勉強するとします。

【急性心筋梗塞】

概念

不安定プラークの破綻により左冠動脈前下行枝、 左冠動脈回旋枝、右冠動脈のいずれかがつまり心筋が壊死する。不安定プラークとは・・

診断

心電図でST上昇。
しかしSTが上昇する病気は心筋梗塞以外でもあり例えば・・。
STが低下する病気も色々あり例えば・・。
血液検査でLDやトロポニンが上昇することがある。
トロポニンとは・・。
しかし、これらが絶対上昇するわけではなく・・。

治療

2枝病変ならPCI、3枝病変ならバイパス。
しかし、2枝病変でも左冠動脈主幹部ならバイパス検討。
しかし、最近の治療では主幹病変でも・・。

プラスα

PCI後数日で急に循環動態が悪化したら心室瘤の破裂などを考える。
診断は心電図やレントゲン、エコー。
その他にも合併症として不整脈や乳頭筋断裂、心室中隔穿孔があり・・。
それぞれの診断は・・。

教科書をしっかり読みながら、上記のようにノートにまとめると1時間程度はかかるのではないでしょうか。

ところで、以下の疾患について概念、診断、治療を説明できますか?

  • アレルギー性肉芽腫性血管炎
  • 子宮腺筋症
  • 原田病
  • ベーチェット病
  • SLE

説明できない方もいらっしゃるかと思います。それでは他の問題を解くことができません。国試の勉強で大事なのは浅く、広くです。一つの病気にいくら詳しくても国試に受かることはできません。一つの病気に1時間もかけて勉強するよりは、 1時間かけて5個の病気を浅く勉強した方がいいと思います。

もちろん、浅い状態のままでは実臨床で治療することはできませんので、研修医になったら研修する科毎に深く勉強するようにしてください。

しかし、繰り返しになりますが、医師国家試験に合格する上では一つの病気に多くの時間をかけて深く勉強するメリットはありません。国試に受かりたいのであれば、浅く、広く勉強することをお勧めします。

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