コウメイ(@kokusigokaku):今回は疫学について勉強していきます。
厚生労働省の患者調査で平成14年と比較して平成20年に増加しているのはどれか。2つ選べ。
- 気分障害の外来患者
- てんかんの外来患者
- 統合失調症の入院患者
- Alzheimer型認知症の入院患者
- 精神作用物質使用による精神および行動障害の入院患者
答え(クリック)
a, d
疫学は知っているか知っていないかの問題ではない
おそらく解説書にはこのように書いてあるでしょう。
- ◯ 64,900人 ⇒ 80,100人
- × 19,500人 ⇒ 16,500人
- × 191,600人 ⇒ 178,600人
- ◯ 18,700人 ⇒ 33,000人
- × 17,500人 ⇒ 13,600人
もしかすると「成績上位者はこの数値を知っている」と思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、この数値を全て知っている受験生はいないでしょう。少なくとも私は全てを把握はしていませんでした。
疫学は数値を知っているか知っていないかの問題ではありません。医学の知識や社会的な常識から自分で考えるものです。
時代背景を考えてみよう
【平成14年】
例えば平成14年(2002年)を考えてみましょう。2002年といえばワールドカップがあり、ベッカムのソフトモヒカンが流行りました。
【平成20年】
一方、平成20年(2008年)と言えばリーマン・ショックが有名です。日本に限らず全世界で景気が悪くなりました。100年に1度の不況と言われています。
これらから、平成20年は平成14年に比べ景気が悪く、大変な年ということが考えられます。
時代背景から病気を考えてよう
以上をふまえた上でそれぞれの病気が増えそうか減りそうか考えてみましょう。
【a 気分障害】
気分障害とはうつ病と双極性障害のことです。景気が悪くなればうつ病になる人は増えそうですよね。平成20年に増加しています。
【b てんかん】
てんかんは器質的な病気なので景気が悪くなったからといって増加する理由はありません。
【c 統合失調症】
統合失調症も器質的な要素が強いので、景気が悪くなったからといって増加しなさそうです。
【d Alzheimer型認知症】
日本では高齢化がどんどん進んでいますから当然増えるでしょう。
【e 精神作用物質使用】
この選択肢は少し悩ましいです。精神作用物質とはアルコール、アヘン、大麻、コカインなどを指しますが、景気が悪くなり精神作用物質に頼る人が多くなったと考えることができます。
しかしここで考えてほしいのは、仮にこの選択肢が正解だった場合、アヘン、大麻、コカインが至るところに出回っていることを意味します。それは「警察がうまく機能していない」ということになり、
厚生労働省が警察庁を遠回しに批判
していることになります。このような選択肢を国家試験で正解にする意味はなく、99%正解になることはありません。受験テクニックですが、こういうのも覚えておくとよいでしょう。
疫学の問題は知っているか知らないかではなく
自分で考える
問題である場合が多々ありますので諦めないで考えるようにしましょう。
※当然ですが、癌の罹患率など知っていなければ解けない問題もあります。