コウメイ(@kokusigokaku):読者の方より「なぜ胆嚢炎にはESWLが適応にならいのか?」との質問をいただいたので回答します。
読者からの質問
ある問題で画像と病歴から胆嚢結石、胆嚢炎だと分かるのですが、治療は胆嚢ドレナージと胆嚢摘出となっています。どちらも正しいとは思うのですが、なぜ胆石溶解薬やESWLが不正解なのでしょうか。胆嚢結石には適応があると「病気がみえる」には書いてありました。
目次
胆嚢炎と胆嚢結石との違い
まずは胆嚢炎と胆嚢結石との違いを理解しましょう。胆嚢結石はただ胆嚢に結石があるだけで悪さをしていません。この結石が胆嚢の出口につまり、胆汁が流れなくなったのが胆石発作で、それが続き炎症が起こったのが胆嚢炎です。
胆石溶解薬とESWLは時間がかかる
胆石溶解薬とESWLは一見するとすぐに効果が現れそうですが、日や週単位で時間がかかります。よって、現在症状のない胆石症は胆石溶解薬やESWLの適応ですが、すぐに治療をしないと命に関わる胆嚢炎の場合は適応にはなりません。まずは胆嚢ドレナージで対応し、その後手術が検討されます。
ちなみに、胆石症は基本的に症状がなければ治療の適応にはなりません。胆石発作が起こった後に再発防止のため治療が行われます。
以上で解説は終わりです。