※本記事は連載「これだけ心電図」の一部です。こちらが目次へのリンクになりますので一番初めから読むことをお勧めします。
コウメイ:今回から何回かに分けて房室ブロックについて解説していきます。いつも通り、丸暗記ではなく病態を理解するようにしましょう。
1)分類ではなく定義を理解する
そもそも房室ブロックとはなんでしょうか?
「房室ブロックは第3度房室ブロック、第2度房室ブロック、第1度房室ブロックに分かれていて、第3度房室ブロックは・・」
このように、いきなり分類から説明する人がいますが、それはダメです。本質について理解していません。
【携帯電話って何ですか?】
例えば、「携帯電話って何ですか?」と聞かれた時に、「携帯電話にはDocomoとauとSoftbankとがあって・・、Docomoは・・」と答える人はいないですよね。
「携帯電話は持ち運びができる、話をする道具です。」と答えるのがよい回答です。
また、「ケーキって何ですか?」と聞かれた時に、「ケーキにはショートケーキとチョコレートケーキとチーズケーキとがあって、ショートケーキは・・」と言うのもよくない回答です。
「ケーキは小麦粉と卵と砂糖で作った柔らかいお菓子です。」と答えるのがよいです。
このような感じで、「○○って何ですか?」と聞かれた時に、いきなり分類を説明するのはよい答え方ではありません。まずはそもそも何かということを答えましょう。
2)そもそも房室ブロックとは?
では、房室ブロックとはそもそも何なのでしょうか?房室ブロックは房室結節の働きが悪くなり、命令の伝わりが障害された状態です。
3)伝わり方の程度によって分類する
命令の伝わりの障害には程度があり、
- 全く命令が伝わらないもの
- たまに命令が伝わらなくなるもの
- 命令は伝わるが速度が遅くなるもの
に分類されます。
順に第3度房室ブロック、第2度房室ブロック、第1度房室ブロックと名前がついています。
以上が房室ブロックの本質です。房室ブロックの本質について理解しましたので、次回から各分類について見ていきましょう。まずは重症度の高い第3度房室ブロックについてです。