コウメイ:疫学はただの暗記だと思っていませんか。それだと、つまらないし覚えられません。実際の過去問を解きながら正しい勉強法を見ていきましょう。
医師国家試験102D3
原発性肺癌について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 腺癌の頻度が最も高い。
b 扁平上皮癌は女性に多い。
c 扁平上皮癌は喫煙が危険因子である。
d 小細胞癌は抗癌化学療法薬に感受性が低い。
e 大細胞癌は閉塞性肺炎を合併することが多い。
正解(クリック)
正解はaとcですが、以下のように丸暗記している方はいませんか?
- 腺癌の頻度が最も多い。
- 扁平上皮癌は男性に多い。
- 扁平上皮癌は喫煙が危険因子である。
- 小細胞癌は抗癌化学療法に感受性が高い。
- 大細胞癌は閉塞性肺炎を合併することが少ない。
このように多い/少ない、高い/低いだけを丸暗記してもすぐに忘れてしまいます。病態を頭に浮かべながら覚るようにしましょう。
目次
1)中枢性
扁平上皮癌
中枢はタバコの煙によく触れる。→タバコがリスク。男性の方が女性よりタバコを吸う。→扁平上皮癌は男性に多い。
小細胞癌
中枢性はタバコの煙によく触れる。→タバコがリスク。N/C比が高い。→分裂のスピードがはやい。→抗癌剤が効く。
2)末梢性
腺癌
末梢性なのでタバコの煙が届きにくい。→タバコはリスクではない。最近タバコを吸う人の方が少ない。→扁平上皮癌が少ない→腺癌の割合が多い。
大細胞癌
末梢性なのでタバコの煙が届きにくい。→タバコはリスクではない。末梢にあるので気管を閉塞しない。→肺炎は起こしにくい。
このように勉強できていたかたはそのままの勉強法を続けてください。丸暗記をしようとしていた方は今後は疫学にも意味を持たせ、覚えるようにしてください。記憶の定着にかなり差がでてきます。