コウメイ:輸液について質問をいただいたので回答していきます。

食塩水とブドウ糖液との使い分けを知らない方は必見です。

 

********************質問*******************

質問者:医師国家試験107B28について質問です。

107B問題28

正解:a

 

質問者:5%ブドウ糖液はそれ自体は等張液であるが、体内に入ると

ブドウ糖がすぐに代謝され、水のみを入れていることと同じになって

しまうと解説書に書いてありました。随分珍しい輸液な気がします。

このような問題を解くにあたっての、プラスαの知識ってなんでしょうか。

輸液について、どの位覚えておけばいいのでしょうか。

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輸液の種類は大きく2つ

コウメイ:輸液を勉強するときに大事なのは、この世の中には

食塩水5%ブドウ糖液しかないと思ってください。

そして、様々な病態の中でこのどちらが良いかを考えてください。

 

 

食塩水の役割

コウメイ:食塩水には2つ役割があります。

 

役割その1:ナトリウムの量を増やす

1つ目はナトリウムの量を増やすです。これは明らかですね。

 

役割その2:血管内の水分を増やす

2つ目は血管内の水分を増やすです。

 

いやいや、血管に点滴しているんだから、血管内の水分が

増えて当然だろ!!何を当たり前のこと言ってるんですか?

 

と思われる方もいるかもしれないので、詳しく説明していきます。

 

血管内の水分を増やす?

コウメイ:ちょっと質問です。

点滴された食塩水はどこへ行くのでしょうか?

 

 

学生C:簡単です。血管です。

 

 

コウメイ:そんな、小学生でも分かるようなことは聞いていません。

 

 

学生C:というと?

 

 

コウメイ:食塩水はずっと血管内に留まっているのではありません。

血管内間質に分布します。

 

血管内と間質の体積の割合は1:3なので、例えば500mLを点滴した場合

血管内に1/4の125mL、間質に3/4の375mL分布します。

 

ここ大事なのでもう一度いいます。

500mL点滴すると血管内には125mLが残ります。

 

とりあえず、ここまではいいでしょうか。

次、5%ブドウ糖液の説明です。

 

 

5%ブドウ糖液の役割

5%ブドウ糖液を勉強する上でめちゃくちゃ大事なポイントがあります。

それは、質問者も言っていたように、ブドウ糖は代謝されなくなることです。

ですので、5%ブドウ糖液は真水と同じと考えてください。

 

※ただし、一気に真水(蒸留水)を点滴すると赤血球が溶血しますので、

真水の点滴はしないようお願いします。

 

勉強する上では真水と表現したの方が分かりやすいので、

5%ブドウ糖液=真水だと思って読み進めていってください。

 

真水は2つの役割があります。

 

真水の役割その1:ナトリウムを薄める

1つ目はナトリウムを薄めることです。これは分かりやすいですね。

 

真水の役割その2:血管内の水分を増やさない

2つ目は血管内の水分を(あまり)増やさないことです。

 

いやいや、血管内に点滴しているのに、血管内の水分が

増えないって何を言っているんですか?

 

と思われた方はこの後をよく読んでください。

 

水分を増やさない?

真水は血管内に点滴された場合、ずっと血管内に留まっている

わけではありません。

 

血管内、間質、細胞に分布します。

それぞれの体積の割合は1:3:8なので、

血管内には1/12の42mL、間質には3/12の125mL、細胞には8/12の333mL

が分布します。

 

ここ大事なのでもう一度言います。

ブドウ糖液500mLを点滴すると血管内には42mL残ります。

食塩水では125mLでした。

 

こんなにも差が出るのです。

 

以上、食塩水とブドウ糖液(真水)との違いについて解説しました。

次回は、この違いを病気によってどう使い分けたら良いか説明します。

それまで、自分ならどう使い分けるか考えてみてください。

言葉の丸暗記ではなく、自分で考えてみるというのが大切です。

 

続きはこちらです。

食塩水とブドウ糖液との使い分け2 

食塩水とブドウ糖液との使い分け