ブドウ糖液(5%、10%、20%、50%、70%)の使い分け

(最終確認日:2017.6.16 | 最終更新日:2017.6.16)

 

コウメイ:以前の記事に質問をいただきましたので回答します。

以前の記事はこちら↓↓

食塩水とブドウ糖液との使い分け

 

まずは質問を紹介します。

********************************************************************

ブドウ糖液は濃度がいろいろあります。

たとえば10%、20%、50%、70%などありますがどう使い分けるのですか!?

同じように水になるんですか?

************************************************************************

 

ブドウ糖液は真水になる

まず、「同じように水になるか?」という質問ですが、

全て真水になります。これは濃度によりません。

 

 

学生D:じゃ、どの濃度のブドウ糖液を使ってもいいのですね?

じゃ、今日は僕の気分で50%のブドウ糖液を選ぼう!!

 

 

コウメイ:気分で濃度を選んではいけません。

きちんとした使い分けが必要です。

 

 

末梢から点滴できるのは浸透圧が2〜3倍まで

以下は非常に大事ですので覚えておいてください。

 

ブドウ糖液に限らず、末梢(腕の血管)から点滴できる輸液製剤は、

浸透圧が血液の2〜3倍まで

です。

 

食塩水なら0.9%が浸透圧1なので、浸透圧が2〜3倍は

食塩水でいうと1.8〜2.7%位です。

 

ブドウ糖液なら5%が浸透圧1なので、浸透圧が2〜3倍は

ブドウ糖液でいうと10%〜15%位です。

 

これ以上浸透圧の高い輸液製剤を腕の血管から点滴してしまうと、

血管炎

が起きてしまいますので投与してはいけません。

 

ですので、ブドウ糖液なら基本は5%を使用し、

5%では足りない場合に10%を使用します。

 

 

10%ブドウ糖液の使用法

10%ブドウ糖液の使用例としては

  • 心不全や腹水があり、あまり水分はいれたくない場合
  • SU剤による低血糖が遅延している場合

などに使用します。

 

 

50%ブドウ糖液の使用法

50%ブドウ糖液はER(当直)でよく使いますのでぜひ覚えておいてください。

 

50%ブドウ糖液は低血糖の患者でかつ意識がない

時に使います。

 

50%ブドウ糖液1A〜2Aを静注します。

※A(アンプル)とはこういうやつです。1A=20mLです。

50%ブドウ糖液

 

 

学生D:先程、血管炎が起こるから濃い輸液製剤は末梢から

点滴してはいけないと言いましたが、これはいいのですか?

 

 

コウメイ:良い質問ですね。確かに静脈炎が起こる可能性はあります。

しかし、低血糖は命にかかわる状態であり、かつ20mL〜40mL位では

静脈炎が起こる可能性は低いので末梢から静注して大丈夫です。

 

もし、50%ブドウ糖を大量に点滴したい場合は中心静脈から

投与するようにしてください。

※間違えて末梢から点滴しないように、50%ブドウ糖液は上の写真のように

小さな容器に入っています。200mL製剤や500mL製剤もありますが、

中心静脈点滴専用と書いてありますのでよく見て使用してください。

 

 

20%ブドウ糖液と70%ブドウ糖液の使用法

20%ブドウ糖と70%ブドウ糖液はあまり使用しないと思います。

使用するとすれば、中心静脈栄養に混ぜて使います。

 

中心静脈栄養用の輸液製剤は色々な成分が配合されているキット製剤が

あり、基本的にはそのまま使用すればいいのですが、少し組成を変えたい

場合に20%ブドウ糖や70%ブドウ糖液を使用します。

 

先程も言いましたが、それほど使用することはないので、

あまり気にしなくていいと思います。

 

以上でブドウ糖液の使い分けの説明は終わりです。

 

 

中心静脈とは?

コウメイ:ちなみに、中心静脈って知っていますか?

 

 

学生D:知っていますよ。中心となる静脈です。

 

 

コウメイ:・・・。おそらく、解剖の実習をしたときは

中心静脈という単語は出てこなかったと思います。

中心静脈という固有名詞はありません。

 

輸液の話をするとき、中心静脈とは上大静脈下大静脈を言います。

最後は少し話がそれましたが、今日はブドウ糖液についての説明でした。

 

今回は以上で終わりです。お疲れ様でした(^_^)