右左シャントで動脈血の二酸化炭素が異常高値にならない理由

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から右左シャントに関する質問をいただいたので回答します。

読者からの質問

質問者:以下の問題についてネット講座の解説が納得できないので教えてください。

【第97回医師国家試験H-20】
動脈血ガス分析(自発呼吸、room air)がpH 7.31、PaO2 45、PaCO2 76、A-aDO2 10である。
考えられるのはどれか?

  1. 拡散障害
  2. 肺胞低換気
  3. 肺循環障害
  4. 右左シャント
  5. 換気・血流比不均等分布

正解:b

解説:a、c、eはA-aDO2は開大する。d:A-aDO2は変化せず、低酸素血症となるが、高二酸化炭素血症にはならない。

質問者:bは理解しましたが、右左シャントで高二酸化炭素血症にはならないのはなぜですか?

 

静脈血の二酸化炭素分圧は?

動脈血の二酸化炭素分圧は40mmHgであるのは皆さんご存知かと思います。静脈血はどのくらいだと思いますか?

何となく高そうな気もしますが、静脈血の二酸化炭素分圧は45mmHg程度です。よって、右左シャントがある場合若干だけ動脈血の二酸化炭素分圧は上がりますが、45mmHgを超えることはありません。

本患者はPaCO2 76とかなり高値ですので、右左シャントが病態ではありません。正確に言えば、右左シャントの存在を否定するものではありませんが、メインの病態ではありません。

以上で解説は終わりです。他の疾患でA-aDO2やPaCO2がどうなるか気になる方がいれば質問してください。