網膜動脈閉塞症と網膜静脈閉塞症で出血するのはどっち? 〜正常な網膜の構造を理解しよう〜

コウメイ(@kokusigokaku):読者の方から「網膜動脈閉塞症ではなぜ出血しないのですか?」との質問をいただきましたので回答します。

読者からの質問
網膜静脈閉塞症と網膜動脈閉塞症はどちらも血管が閉塞する疾患なのに、なぜ前者では血管が破たんして出血が生じて、後者では生じないのでしょうか。静脈と動脈の壁の強度の問題ですか?

 

結論から質問者の考えた通りです。どちらも閉塞した部分より前の血管に圧力がかかりますが動脈は壁が強いので破綻せず、静脈は壁が弱いので破綻し出血します。

以上で説明は終わりですが、もう少し詳しく勉強していきましょう。

正常な網膜の構造

正常な網膜

まずは正常な網膜を理解しましょう。より詳しく理解しようとすると難しいですが、学生なら以下の3つを理解しておけばよいでしょう。

【黄斑】
視力の中心となる部分です。

【視神経乳頭】
黄斑より右にあれば右眼、左にあれば左眼です。上の画像は右眼になります。

【網膜動脈・網膜静脈】
体の血管と同様、太いほうが静脈、細いほうが動脈です。

網膜動脈閉塞症

網膜中心動脈閉塞症の画像
※写真は正確には網膜中心動脈閉塞症です。

慣れないと正常な網膜と見分けがつきにくいのですが、正常な網膜の画像と比べて黄斑の周りが蒼白になっているのが分かりますか?そこが虚血の部分です。しかし、黄斑は逆に赤くなっていますよね。cherry red spotです。

【cherry red spotが見られる理由】

なぜ、網膜中心動脈閉塞症ではcherry red spotが見られるのでしょうか?黄斑は薄いためすぐ外側にある脈絡膜の血管がよく見えます。一方、黄斑以外の部分はあまり脈絡膜の血管が見えません。普段は網膜にも血液が流れているため脈絡膜の血管は目立ちませんが、網膜の血管が閉塞すると、周り(黄斑の周囲)が蒼白になるので相対的に赤く(cherry red)見えるのです。

網膜静脈閉塞症

網膜中心静脈閉塞症
※写真は正確には網膜中心静脈閉塞症です。

冒頭で説明したように、静脈は動脈に比べ弱いので出血します。出血の範囲は閉塞する静脈によりますが、太い静脈が閉塞するとこのように派手な所見になります。ということは国試に出やすいです。よく覚えておきましょう。

以上で説明は終わりです。